2004年08月17日(火) |
掲示板の書き込みにお答えします⇒商店街の活性化 |
下記のような書き込みが掲示板にあった。これは、7月31日の日記で、私が自転車を量販店で買った、との記載を見てのご質問だろう。
>ショックです。いぬぶしセンセーは地元商店街で自転車を買わず、量販店で買われ>るのですね。役人のことをなんだかんだいって、中小企業者がどうのこうの言って>も、やってることに違いがないですね。それじゃ、みんな大店舗で物を買ってあた>りまえ、商店街なんて消えてなくなれってことですね。
>そんな考え方では、旅行会社がつぶれるのも当たり前ですね。 >いぬぶしセンセーも淘汰されたってことですね
まず、量販店で買うこと、これは一消費者として、また、多大な債務を抱えている者として当然だと思っている。より高い物を、あえて「議員」であることを示して購入することのほうが、我が生き方に反するものである。
ある代議士の奥さんが語っていた。「お肉屋さんで、高い肉を買えば、やっぱり代議士の家、所得が高いから、と言われ、安い肉を買えば、代議士のクセにケチと言われる」情けない有権者だと思う。こんなことに迎合する気はない。
商店街に、次のようなお店があったとしよう。はたして、行くだろうか。
*商品の値立ては量販店と比べようもなく高い。 *店員や店主は、知っている人には愛想がいいが、一見さんには愛想なし。 *10時開店、7時閉店。用事があれば張り紙一枚で臨時休業。 *盆暮れ、法事、家族旅行は臨時休業。
このような状態では、いくら「量販店出店はんた〜い」を訴えても、消費者はついて来ない。
六郷地区には、大変多くの美容院と、調剤薬局がある。その中で、我が家の「指定店」は、水門通り真ん中の美容院と、東京電力社宅前の薬局である。いずれも、立地は他店に比べて良くはない。いや、かえって悪いくらいだ。しかし、その接客は素晴らしい。価格も一般的だが、このお店に行く。それは、気持ちいいからだ。 これこそ、量販店と勝負できる個店の強みだろう。さらには、量販店では扱えない少量品種を扱うなど差別化はできる。
お尋ねの商店街の活性化、私の政策は、補助金をつけたり、街路灯を設置したり、というハードなものではない。僭越かもしれないが、店主、経営者の経営感覚の再教育こそ、行政がすべき活性化策だと思っている。お店も、会社も、その経営者次第である。売上げ不振は、景気のせいでも、行政のせいでもない。それは、店主や経営者「あなた」が原因であることを教えなければならない。
その意味で、現在、財団法人大田区産業振興協会で行われている「ビジネスサポート事業」は、再三にわたる私の提案により具現化したものだ。不振業種の業態変更、廃業、マーケッテイングなど、専門家が5回まで大田区の費用負担で現場指導する。昨日も、業績不振のDPE店のオーナーさんを、この窓口にご案内した。
ただ、残念ながら商店主さんや中小企業の経営者は「わがまま」である。人の話なんか聞けるか、というタイプが多い。そこが問題だ、とは中小企業振興に関わったことのある行政マンの一致した感想だ。
最後に「そんなことだから、旅行会社を潰すのだ」とのご指摘にお答えしよう。そんな、とは、量販店で自転車を買う行為なのか、よくわからないが、旅行会社を廃業した一義的責任は、私の「経営者の器」にあった。売上倍増の中、借金を重ね、6店舗も出店したが、9・11同時多発テロで自転車操業に陥ってしまった。
多くの同業者が廃業していった。自殺した知人もいる。しかし、私を含め、それはすべて経営者の甘さに起因していた。そのような事態になっても、会社を維持し、雇用を確保することが出来るよう磐石な経営基盤を構築すべき責任が経営者にはある。その意味で、私は失敗した。誰の責任でもない、私の責任だ。しかし、唯一、仕入先には迷惑をかけずに廃業できたことは救いだ。(JTBとは裁判で決着したが…)そして、その責任をまっとうするために(金融機関への返済)、懲りもせず、中小企業の経営者としても再挑戦しているところだ。
以上、取り急ぎ、ご回答まで。
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