いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2004年08月13日(金) 各課のミッション発表される!でも職員は知りません?

 今日は、都市整備委員会の定例会である。例によって、お役人によって取捨選択された「所管事務報告」が、ながながと「朗読」され、各議員からの「質問大会」が開催される。いつもながら、このスタイルの意味を自問自答しながらも、質問大会の選手として出場してしまう。

 今日の、面白かった報告は、大田区経営改革プランに基づいた「各課ミッション」という、A4、17ページの小冊子である。これは、各課が、区民の皆様をはじめとする「顧客」を重視し(中略)各課の使命や存在意義である「ミッション」を設定したものだ、(冊子1ページによる)そうだ。

 17ページに、区役所90の課、所、局、室、館のミッションなるものが記載されている。説明によれば、各課長など管理職とともに、職員が共同で作業をすすめ「ミッション」を作り上げた、とのこと。ところが、90のうち、34のミッションが、5つのミッションのコピー(同一のもの)なのだ。

 たとえば、区内18ある特別出張所の「ミッション」は、すべて以下のような同一の文言である。

区民が安心して暮らせる住みよいまちを目指して、地域コミュニテイを活性化し、地域の振興を図ります。また、窓口業務を円滑に進め、公証等良質な窓口サービスを提供します。

 と、こんな文字が、出張所名だけ変えて18並んでいる。4ケ所ある地域福祉課は、というと同様に、以下のようだ。

区民の生涯を通じて心と体の健康を守り、地域の健康づくり活動を支援します。

 この一行(実際は、1行と3文字)である。「ミッション」という名前のわりに、いずれも簡単な文言なので、他に各課別バージョンがあるのかと質問した。

私「これは、概要版ですか?」
お役人「いえ、これですべてです」
私「これで一体何が変わるんですか」
お役人「職員の意識を変えることに寄与できます」
私(心の中で)「本気で、そう思っているとしたら、救いようがない…」

 大体、この手の文章はトップダウンで、官房系(経営管理部の別称)の指示で作られるが、「作ること」が、その目的になっていること多い。面白いから、委員会終了後、役所内で職員にインタビユをしてみた。

 私「おたくの課のミッション知ってますか?」←どこでも共通の質問。

 A課「えっ、ああ、それ○○係長が作っていたので聞いてください」

 B課「ああ、なんか、この前もらったな〜」

 C課「勿論知ってます。全員で作りました。それに基づいて、ミッションシートを作っています。まだまだ、改善する必要がありますけどね…」

 ほかにも、聞いてみたが、概ねA課やB課と同様で、大多数の職員は具体的な内容は知らなかった。C課は、正に秀悦!スペシヤルな存在だった。やっぱりな〜

 区役所は、面白いところで朝礼や、夕礼がない。なんとなく、8時半に来て、なんとなく5時15分に帰る。課長からの伝達は、課内の打ち合わせで係長に伝えられ、一般職員には係長から伝達されるようだ。「ミッション」も、そうやって伝達され末端では…消えてしまった。

 近々、この「ミッション」、大田区のHPでも公開されるようだが、こんなことに時間と税金を使っているのか、とのお叱りが怖い。


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