いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2004年06月10日(木) 平成16年大田区議会第二回定例会一般質問全文

民主的で自由な未来ある会派、民主・自由・未来の犬伏秀一でございます。今般、私たち7名は、小異を捨て、区政発展と、議会活性化のため、あらたな会派を設立いたしました。
支持基盤も、思想信条も違う7名の会派誕生には解決すべき諸問題多くあり、また、残念無念な出来事もおこりました。我ら7名は、今後とも、粛々と是々非々、議会活性化に努力してまいる決意であることを冒頭表明させていただき質問にはいります。

さて、今回は、まず区民共有の財産である本庁舎の有効利用について質問させていただきます。本庁舎2階には、くすの木というレストランが、東急電鉄の子会社において運営されております。そして驚くべきことに、この賃借料は無料なのです。総面積360平方メートル109坪、蒲田駅周辺の平均的な店舗賃料で積算すると、月額賃料100万円相当が無償で提供されているのです。これは、職員の福利厚生事業の一環として、区から大田区職員文化会が借り受け、その運営を民間に委託しているため、賃料は免除ということらしいのです。月40万円弱の水道光熱費相当額を納めているのですが、納得がいきません。さらには、本来午前9時から17時まで開店する契約が、『人件費が出ない』との理由で、現在は10時から15時の営業に短縮されているのです。家賃がタダで『人件費が出ない』など、経営者の風上にもおけない発言であります。先般も、状況を確認に昼食を食べに出かけましたが、兎に角愛想がない。要領が悪い。あれでは、区民の方は『公務員が運営をしている』と誤解をしてしまいます。飲食店の価値は3つの要素の総合力と言われております。ひとつは、当然ながら商品、つまり料理です。そしてサービス、雰囲気です。いかに役所内の施設であっても、この三要素が欠けていれば売り上げは間違いなく減少します。平成14年と15年の売り上げを比較すると、11%の減少。とくに職員のプリペードカードによる売り上げ減は18%にも上っています。反面、弁当は対前年101%と微増しているのです。これは、この三要素を知っている職員からは敬遠されるが、自分の金で払わない、そして、雰囲気もサービスも関係ない弁当は頼む、という明白な消費者のメセージです。
このような、もはや職員の福利厚生施設としての役割すら担えない業者に、一等地を賃料無料で貸していることは、区民の財産に対する搾取行為とも言えるものであります。すでに、この問題を指摘して2ケ月がたちますが、サービス対応は、相変わらずたまげるものがあります。『いらっしゃいませ』の言葉すらないのです。契約どおりの業務が出来ないのなら、他の業者に代える、または、執務室として本来の区役所としての業務に使うべきです。お考えをお聞かせください。

次に、同様の視点から、9階にある施設についてうかがいます。まずは、理容室です。このことについては、以前質問いたしましたが、区職員の執務時間中しか開業していない職員専用の理容室を設ける必要があるのか、と伺いました。その後、床屋にいくので勤務中、時間休暇を取った、という話は聞いたことがありません。年間、延べ1000人が利用していますが、月1回行くとすれば、たかだか80人余りの常連客のために、これまた、無料で施設を貸しているのはいかがでしょうか。もはや、区職員が勤務時間中に床屋に行くなどという、悪習を残すべきではありません。さらには、同じ9階には、職員組合の事務所があります。ここも無償です。私は、健全な労働組合活動を妨害する気はさらさらありませんが、この一等地に101平方メートル30坪余りもの広さの事務所を無償で賃貸することが必要なのでしょうか。労働組合法では、必要最小限の広さを超えて事務所を提供することを、便宜供与としており、不当労働行為になる可能性すらあります。適正な賃料を徴収するか、自前で事務所を賃貸してもらうべきです。9階の2ケ所の扱いにつきお答えください。

次に、公立学校における世間から乖離した非常識についてお伺いいたします。なぜ、教員だけが、世の常識と乖離したことになるか、それは、学校が隔絶された社会だからです。このことは再三訴えてきましたが、変わりません。この非常識の事例として、今回は標準服や、学校指定の上履き、そして修学旅行などのうち、額の大きい修学旅行についてうかがいます。公立中学校の修学旅行は、大手旅行会社JTBと、近畿日本ツーリストの寡占状態が続いており、区内中学校の修学旅行費用は、一般の旅行では考えられない高値、談合が続いています。昨年度は、最高値が70000円、最安値が50000円。そして、いずれも、意味不明な企画料または、手数料ひとりあたり5000円が計上されているのです。団体旅行の幹事をやられた方ならわかるでしょうが、一般の旅行で、企画料10%など論外です。現場教員は、『どこも同じ手数料だ』といいます。2社が談合するのなら、別の旅行社を呼ぶ、という一般社会では当たり前の行動が、教員には出来ないのです。さらにつっこむと、『私費会計である』と、関係文書の提出まで拒む。可愛そうなのは保護者です。いまどき5万円あれば、海外旅行すらできるのに、たかだか、京都2泊自由行動のパックツアーとほとんど変わらないものに大枚を有無を言わず払わされる。これでは、学校と旅行社に如何わしい関係があるのでは、とまで勘ぐってしまうのです。
前回の質問から3年たちましたが、何も変わっていません。どう変えるべきか具体的にお答えください。

最後に、区職員の意識改革についておうかがいいたします。
この点については、5年間手をかえ品をかえお訴えしてまいり、随分と改善されたものと評価しております。
今回は、区役所の普遍公平性に関する、区職員の意識の甘さについて述べたいと思います。前回は、区民大学の講師にある特定の政治思想を持つ団体に依頼したと、指摘いたしました。5月1日の区報を見ますと、『人権問題を一緒に考えましょう』の題のもと、日本に住む外国人の権利と題する、外国人を親に持つ区立中学生の『外国人に参政権を与えよ』との作文を半ページを割いて掲載しています。文章自体は、論理的に稚拙なものもあり、中学生なりであるが、問題は、外国人参政権という、国論が二分している問題について、一方の意見を掲載する見識の低さであります。担当者は、中学校作文コンテストの入賞作品を載せただけ、と抗弁するでしょうが、区が公金を使って発行する区報は、細心の注意が求められるのです。読み方によっては、大田区が、外国人参政権付与に賛成していると勘違いされてしまいます。地方公共団体の発信する情報は、皆注目しています。私自身は、外国人参政権付与に絶対反対の立場ですが、区報は、賛否両論ある場合は、両論併記または、いずれも載せない、という原則を貫かなくてはなりません。この記事の掲載の経緯と、お考えをお聞かせください。

さらに、本件の調査で、9階の人権推進室に行ったところ、係長級の区職員の中で、一人『部落解放新聞』を折り、発送用の帯をかけている女性がおりました。いつもやっているのですか?と聞くと、いつもここで折っているのだとの返事。週3回委託している同和相談員さんだそうです。この相談業務については、再三、一般の区民相談と同様にするか、弁護士に変えたほうが割安だ、と指摘してまいりましたが、相談者がいないので、組織の機関誌の発送作業を、この区役所内で、公金で委託費をもらっている時間に行っているのでしょう。
私は、本当に差別で苦しんでいる人々に行政が支援の手を差し伸べることに異議を言うつもりは毛頭ありませんが、人権推進室の使い方として、また、公金支給中の作業として適正でありましょうか。お考えを伺います。

いまやる、すぐやる、出来るまでやる。
区民の常識を区役所へ!

この実現のため、理事者、区職員、教員の皆さん、どうか自らの心の中にいる抵抗勢力と戦っていただくことを、強く強く要望して質問を終わります。


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