2004年03月22日(月) |
時代遅れの大田区保育実施選考基準 |
区内在住の商店主の友人Tさんから携帯に怒りの電話があった。1歳のお子さんが、上のお子さんの保育園とは正反対の保育園に通っているので、転園を申請したが、駄目だった。これだけであれば、残念だったね、という慰めの言葉で済んだのだが、どうも事情は違う。
同じ園からも転園が相次ぎ、上のお子さんの園にも、他の園から転園が来る、なぜ自分のところは‥‥聞いてみると、サラリーマン世帯に比べて、自営業者は不利なことがわかった、と言うのだ。さらには、転園してきたお母さんに『正直に書いちゃ駄目』と言われ、その彼女は、子供を預けると、カルチャースクールやら、ファミレスでおしゃべり三昧だ、と怒る。
大田区の保育園の選考基準は、保育に欠ける程度を点数化して、点数の多い順に入園・転園を決定している。概要は以下のとおり。
常勤 自営(中心者) 8時間以上の就労 11点 危険なものを扱い8時間以上 11点 8時間未満の就労 10点 危険なものを扱い8時間未満 10点 7時間未満の就労 9点 上記以外で8時間以上の就労 9点 非常勤 自営(協力者で常勤) 8時間以上 9点 危険なものを扱い8時間以上 9点 8時間未満 8点 危険なものを扱い8時間未満 8点 上記以外で8時間以上の就労 7点
例えば、このTさんの場合、夫婦で毎日10時間以上働いているから、点数は、夫(自営中心者)9点、妻(協力者)7点で、合計16点となる。では、この夫婦が一般のサラリーマン世帯であるとどうなるか。夫(常勤)11点、妻(常勤)11点、合計22点となり、自営のTさんとは、6点も差が開いてしまう。これでは、競争を勝ち抜けない。
自宅で通信教育を受け、毎日4時間以上勉強してます、と申告すると5点、自営で奥さんが、毎日8時間未満働くと6点。どう考えてもアンバランスだ。多分、お役人は、大昔の商店で、店舗の奥の部屋で子供をあやして、お客さんが来たら、おんぶして出て行く『自営』を想像して基準を作ったのだろうが、そんな商店や工場をやっていたら、今の世、食べていけないだろう。
一例をあげよう。コンビニを経営し24時間夫婦で働いても、16点。かたや、ダンナは司法試験を目指して予備校に通い(就学外出8時間で11点)、妻はパートで8時間(非常勤8時間で9点)合計20点。結果は、予備校組の勝ち!
勤労世帯の子育て支援も結構だが、区内の中小企業や商店の後継者育成のためにも、自営と勤労者の基準を同様にすべきだと思うが、おかしいだろうか。この基準は『規則』なので、担当課長の発議を経て、区長決定で改正できる。課長さん、よろしくネ!
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