2004年01月22日(木) |
死直前の善意 小型機墜落 |
甲府市で、山梨大学付属幼稚園の人文字撮影を行っていた小型セスナが墜落した。女性機長、ベテラン操縦士、カメラマンの3名が死亡された。報道は、いかに危険な場所に墜落したのか、周辺の病院、学校、住宅地などの映像を流す。
勿論そうだろう。しかし、私は、あの密集した住宅地において、「奇跡的(報道による)」にも、巻き添えが出なかったのは、パイロットの最期の善意だった、と思いたいのだ。
随分前に、航空自衛隊入間基地所属の小型ジェット機が、河川敷に墜落し、送電線を切断して周辺が停電したことがあった。乗員2名は死亡した。フライトレコーダーなどの分析から、乗員が、必死に住宅地を避け、河川敷に墜落させたことが判明した。空自のジェット機には、緊急時に座席ごと飛び出す脱出装置があるにもかかわらずだ。自らの死を賭けて住民を守った自衛官に対し、当時の防衛庁長官、空自幹部は、ただひたすら住民に停電など迷惑をかけ申し訳ない、との謝罪に終始したのは残念だった。
今回の報道でも、「危険だった」という趣旨ばかり目立った。が、ただ一人、人文字を撮影した幼稚園長はインタビユに「パイロットの方は、幼稚園への墜落を避けて必死に操縦してくれたと思う」と。そう思いたいし、人は、最期の時には、きっとそう行動するものだと信じている。
イラクへ、航空自衛隊本隊110名が出発した。命を賭けて、我が国の名誉と、イラクの人々の復興支援ために出発する隊員に、ヘルメットに顔をタオルで隠した「人のために働くことなど考えたことのもない」であろう学生たちが、はんた〜い、を叫んでいた。
死亡したセスナ機の3名のご冥福をお祈りすると共に、イラクへ派遣された自衛官、さらには、ゴラン高原や、インド洋でPKO活動に従事中の自衛官の無事をお祈りする。
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