いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2003年08月16日(土) お役所の意思決定システム

 昨日は、常任委員会の審議内容を記載できなかったので、本日改めて都市整備委員会の内容を、勝手な視点でご紹介する。

 4年前に議員になって以来、議会(議決機関)と区(執行機関)または、その親分たる区長との関係について、モヤモヤとした疑問があった。それは、本当に、議会がその機能を発揮しているのだろうか、という点だ。

 確かに、年4回の本会議、毎月の委員会などでは、役人に質問を投げかけてはいるが、では、それで区の役人は変わったか?結局のところ、自らが決定した施策に、「議決」という、お墨付きをもらっただけ、ではなかったのか。

 地方議会が、ミニ国会よろしく、国会のシステムを模倣している、現在の議決システムにも問題があるのだろう。

 昨日の委員会で、私が、この問題の象徴的な案件として「血祭り」にあげたのが、「公園、道路から吸殻いれ撤去」という報告案件である。これは、健康増進法の施行をうけ、大田区内にある区設の吸殻いれを撤去し、受動喫煙の被害を防止しよう、というものだ。

 趣旨にはなんら反対するものではないが、吸殻いれを撤去して、歩行喫煙がなくなる、という「お役所的」発想には、相変わらず、と思った。放置自転車の撤去手数料を値上げして、撤去の回数を増やせば、放置自転車がなくなる、という発想と同じロジックであろう。否!さらには、お国が決定した法の趣旨を徹底しないと、いかん、とでも思ったのだろうか。

 では、他の部局との受動喫煙防止への協力体制はどうか?と質問すれば、「区報でPRします」と。区報でPRしたり、吸殻いれを撤去して、歩行喫煙を止めるような人は、超優良喫煙者である。反対に、手製吸殻いれを、区内いたるところに設置しているボランテイア団体もある。問題の本質は、ところかまわず喫煙する、「一般的喫煙者」である。

 また、このような案件を、「報告」としてあげてくる、行政の意思決定システムも問題だ。つまり、委員会でいかような意見が出ても、「報告」であるから、変更する気はないのだ。

 国政では、内閣府を設置し、意思決定を官僚から政治に移そうと必死の努力がされている。各自治体においても、役人がすべてを決定し、議会の「お墨付き」をもらう、という旧態然としたシステムを見直すべき時代にきたのでは、と痛切に思う。そのためには、議員の資質の向上も命題であろう。


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