いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2003年06月19日(木) おいおい、女の武器を使うなよ!

 一人会派の議員でも2期目になると、色々な頼まれ事が持ち込まれる。何でも、受ける訳にはいかない。特に、区民エゴのものは、議員の良識が問われる。自転車駐輪場、公共住宅の抽選を有利にせよ、保育園に無理やり入れろ、交通違反なんとかせい、うちの団体だけ、区から補助金出せるようにしろ、等、ヨソさまは知らないが、こんなことは出来ない。が、出来ない、と言うと「使えない議員」と烙印を押される。これこそ、有権者の票の暴力である。使うべきは、区の業務で、お役人の判断が、「フツーの区民感情」からして、おかしい、または、お役所のセクショナリズムで事がうまくいかない、などの場合だ。
 
さて、今日の「お願い事」は、当初危うく後者であると勘違いするところだった。
 
場所は、田園調布のさる公園。未就学の子どもたちが、楽しそうにサッカーをしていると、鬼のような顔をした、区職員が「ここはサッカー禁止だから、ヤメロー」と叫んだ。なんとかして欲しい、との要請が母親からあった。それはヒドイ。と担当課長に連絡すると、意外な事実が判明した。
 
 名古屋に本社をおく会社が、チラシなどで、子どもを集め、入会金5000円、月謝5000円を徴収しサッカークラブを、全国の自治体の公園で、無許可で開設している、というのだ。再三の区の中止要請にも聞く耳を持たず、止む無く、強行手段にでた、というのが実態らしい。
 
 この公園は、最近区が購入したもので、地元の区民からなる検討委員会が利用法などを検討している最中で、サッカーなどの利用規定も、まだないそうだ。
 
 このことを、かの母親に告げると、涙声で、「でも、こどもたちが、楽しくやっているのです」と、当方までも「悪者」の手先になってしまった。
このような場合には、区民の啓蒙も重要な仕事だ。
 
 お母さん、お気持ちはわかりますが、この団体は、全国で、お金を払わないで、サッカークラブを公園で開設しているんです。例えば、泥棒さんが、盗んだお金で、子どもたちにアイスを買っているのを、警察官が逮捕しに来た、それを、止めてくれ、とおっしゃっているのと同じです。
 
 と、説明したが、もはや、涙声と、絶叫はとまらない。
泣かれると、手におえないのが「おんな」である。もはや、いかなる理論的説明も、何の力になりえない。後は、この高まった感情を「冷やす」か、票を激減させることを覚悟で、電話を切るか。嗚呼、困ったもんだな女の武器は‥


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