人妻の裏心 『皮肉な幸せ 25』 許される嘘 - 2005年07月21日(木) アタシは涙をエプロンで拭いながら話しだした。 「ほんとごめんなさい・・・あなた。 私、実はあなたが毎週、女のとこに通ってるんだって 思ってて・・・。 それで、ちょっと最近イライラしてあなたに冷たく あたってたかもしれない。 ほんと、ごめんね?」 本当に謝りたかったことは、そんなことではなかったけれど 真実を言ってしまえば、せっかく修復された夫婦の絆が プツリと切れてしまうに決まっている。 だから、夫に今言えるのはここまでなのだ。 いや、ずっとこの先もこれ以上の事は言ってはいけないのだ。 人生の中には、知らなければ幸せな事もある。 夫にとっては今がその時なのだと思う。 もちろん、これはアタシの勝手な思い込みに過ぎないかもしれないけれど・・・。 「やっぱりかあ。きっと誤解してるだろうなとは思ってたよ。 でも、まあ誤解が解けてよかったよ。 あ、ついでにロウソクまで溶けちゃってるじゃん!(笑) 早くケーキ食べよう!」 少し明るくなってきた会話にアタシも安心し、ケーキを切り 分けていると、夫がまた嬉しそうにアタシに言った。 思わずアタシは、ケーキののったお皿を落としそうになった。 そうだ、まだ問題が全てクリアになったわけじゃないんだ! -
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