人妻の裏心 『皮肉な幸せ 9』 偶然は最後の通告 - 2005年06月28日(火) 「ごめんね。隠してて・・・。 だって、近くの人とは逢わないっていってたから・・・。 もう逢ってくれない?」 「今更そんなこといわれても。 もう好きになっちゃってるからなぁ・・・。」 今ここでお別れをしても、キスした事実は消えないし、 アタシの家を知られている事実も消えないのだから、どうしようもない。 それに、すっかり週一ペースの密会が楽しみになっている自分を とめられない。 結局、アタシ達2人の関係は続行された。 それから数日後、町内のお祭りにアタシは夫と連れだって出かけた。 もしかして彼に逢ったりして? ううん、そんな偶然はそうそう簡単には起こりえないわ。 そんな事を考えながら屋台が並んだ道を歩いていると なんと、向こうから子供を連れた彼が歩いてくるではないか! ひえっ〜、ありえない偶然が起こる・・・。 しかし、女というものは案外シタタカで肝がすわっているようで 奥さんはどんな人なのか見てみたくて、目をそらすことはしなかった。 残念ながら奥さんらしき人は近くにはいなかったが。 反対に、男というものは案外臆病なのか、一瞬目があったものの すぐに目をそらし、逃げるように通りすぎていった。 そんな姿を見て、ちょっぴりアタシの気持ちはトーンダウンした。 その後、ぐるりと一回りして自宅に戻った後に、 買い忘れたものに気がついて、2人でまた祭り会場へと向かった。 彼に再び逢わないように、わざわざ裏道を通って・・・。 それなのに、今度は車にのった彼と遭遇。 ああ、おそろしや、、ご近所不倫。 やっぱり怖い、もう逢わないほうがいいのかも・・・。 次回の約束は夫が社員旅行でいない隙を狙っての、 初めての夜の密会だった。 今から思えば、今回の出来事は神様が教えてくれた 最後の通告だったに違いない。 だが結局、アタシは最後の通告を無視した。 一生背負っていかなければならない苦しみを 味わうことになるとも知らないで・・・。 -
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