パラダイムチェンジ

2006年07月12日(水) 北朝鮮にミサイルを撃たせない方法

といって、別に専門的な意見があるわけでもなく、単なる素人の
独り言ですが。

今回のテポドン2の発射には、軍部と共産党中央部の対立があるとか
なんか色々な読み方があるようですが、その前後、横田めぐみさんの
夫だった人と韓国にいる家族との再会を演出したり、はたまためぐみ
さんの入院していた病院をそれが真実かどうかは別として公開したり
とか、様々なアクションを海外に向けてしていたことと併せて考える
と、何というか、北朝鮮の政府の人たちは何とかして対話(しかも、
できれば個別に)対話のチャンネルを開いて、各国から経済援助を
引き出したかったのかなあ、と。

で、テポドンにしても、撃つよ撃つよ、と言ってたら皆がなだめて
くれるかと思ったら、結局引っ込みがつかなくなっちゃった、みたい
な感じなのかなあ、と。
ま、だからといって北朝鮮の政策の方針をほめるつもりは全くない
訳ですが。

でもね、もし日本がミサイル防衛に費やす巨額な(しかも本当に充分
な精度があるかどうかはその時にならないとわからないみたいな)
お金を使うのであれば、その代わりに公式であれ非公式であれ、北朝
鮮政府との間に、対話のチャンネルを持っていることの方がはるかに
安上がりな気がするのですが。

あの、小泉訪朝と、今はもう死語になりつつある日朝国交正常化交渉
と、それに伴う拉致された人たちを北朝鮮が認めたことにしたって、
その裏には、田中均という一個人が、非公式に北朝鮮の高官との間に
外交チャンネルがあったからこそ、実現したんだと思うわけだし。

その陰で、彼が北朝鮮に対して、果たしてどんな交渉をし、はたまた
譲歩や援助を申し出ていたのかは知らないけれど、でも今の北朝鮮が
ミサイルを撃つかもしれないという危険性がある時には、安全保障上
から言っても、一つの外交施策に有り金すべてをかけるのではなく、
もう一つ二つのオプションを持っておくのが普通なんじゃないんだろ
うか。(もちろん、私たちのあずかり知らぬ所で政府はそういう努力
を惜しまず続けているのかもしれないけれど)

ここで国連安保理で、経済制裁動議を無理してかけて、実際に北朝鮮
を実際に経済封鎖したからと言って、それですぐに金正日政権が倒れ
ると言うわけでもないだろうし、またもしも万が一、金正日政権が
もう虫の息で後一押しで倒れるとしても、その後の北朝鮮に対して
どう関わっていくのか、というグランドデザインが、日本政府にある
とも思えないし。

どうせその被害を被ったり責任を取るのは韓国や中国なんだからうち
は関係ないね、なんて思っているんだったら、果たして話はそう簡単
にいくのかな、という気もするのだ。
(むしろその場合、今後中国、韓国の国力が強くなった時には、あの
時何にもしなかったくせに、みたいにまた恨まれそうな気もするし)

と言うわけで、個人的には、日本がどこかで非公式にでも北朝鮮と
対話できるチャンネルを持っていた方がいいんじゃないのかな、と
思うわけですが。

向こうがミサイル撃つよ、撃つよ、と言っている時に、まあまあ、
とりあえず経済援助するかどうかは確約はしませんがお互い話合い
ましょうよ、ね、まあ武器はおいといて。
位の事を日本政府やブッシュ政権が持ちかけて、その上で生かさず、
殺さず、水道の蛇口をこっそり閉めておく位の腹芸をしている方が
もう少し物事も平和に進むんじゃないのかな、という気もするんです
が、以上は単なる印象と言うことで。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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