今回は演劇ネタ。見てきたのはパルコ劇場の「お父さんの恋」 。 以前見た「ビューティフルサンデイ」 と同じ脚本・演出家コンビの 新作である。 出演者は前田吟、堺雅人、星野真理、七瀬なつみ、菊池麻衣子、 池田成志。
物語はタイトル通り、自分の世話をしてくれる若い介護ヘルパーさん (星野真理)に恋をしてしまったお父さん(前田吟)の元に、母親の七回忌 にあわせて子供たち(堺雅人、七瀬なつみ、菊池麻衣子)が戻ってきて ひと騒動、という話だと思っていたらそんなに単純な話ではなく。
その肝心のお父さんは、脳卒中で倒れて以来、意識不明の状態で、 という設定で、かといって前田吟はただ寝ているのではなく、心の中で 子供ら登場人物たちにいろいろと話しかけてはいるんだけど、その声は 彼らには届かない・・・というちょっとせつない設定で。
そして子供たち、お父さんを介護するヘルパーや主治医(池田成志)にも それぞれ事情があり、という物語。
以前、演出の板垣恭一が脚本家の中谷まゆみを評したように、今回も 「地上5cmのハッピーエンド」というつくりになっている。いや、 今回は地上3cmくらいかな。
でも、それぞれどんなにつらい事情を背負っていたって、生きてさえ いればいくらでもやり直せるし、また同じ状況であっても、気持ち ひとつでガラッと前向きにとらえなおす事は、いくらでもできる。
この物語の登場人物たちは、今まで疎遠になっていた親子、家族関係 から対話を重ねていくことでそれを見つけたし、また介護士役の星野 真理は、1年間お父さんの介護をすることでそれを見つけ出したのかも しれない。
やっぱり、人を癒すのは人との関係、それも継続的な関係によって、 人は変わっていけるのかもしれない、なんて事を思ったのである。
DVD出たら多分買うと思います。 今回は、以前見た「ビューティフルサンデイ」のDVDが売ってたので ゲット。これから見るのがちょっと楽しみなのである。
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