パラダイムチェンジ

2005年03月26日(土) お父さんの恋

今回は演劇ネタ。見てきたのはパルコ劇場の「お父さんの恋」
以前見た「ビューティフルサンデイ」 と同じ脚本・演出家コンビの
新作である。
出演者は前田吟、堺雅人、星野真理、七瀬なつみ、菊池麻衣子、
池田成志。

物語はタイトル通り、自分の世話をしてくれる若い介護ヘルパーさん
(星野真理)に恋をしてしまったお父さん(前田吟)の元に、母親の七回忌
にあわせて子供たち(堺雅人、七瀬なつみ、菊池麻衣子)が戻ってきて
ひと騒動、という話だと思っていたらそんなに単純な話ではなく。

その肝心のお父さんは、脳卒中で倒れて以来、意識不明の状態で、
という設定で、かといって前田吟はただ寝ているのではなく、心の中で
子供ら登場人物たちにいろいろと話しかけてはいるんだけど、その声は
彼らには届かない・・・というちょっとせつない設定で。

そして子供たち、お父さんを介護するヘルパーや主治医(池田成志)にも
それぞれ事情があり、という物語。

以前、演出の板垣恭一が脚本家の中谷まゆみを評したように、今回も
「地上5cmのハッピーエンド」というつくりになっている。いや、
今回は地上3cmくらいかな。

でも、それぞれどんなにつらい事情を背負っていたって、生きてさえ
いればいくらでもやり直せるし、また同じ状況であっても、気持ち
ひとつでガラッと前向きにとらえなおす事は、いくらでもできる。

この物語の登場人物たちは、今まで疎遠になっていた親子、家族関係
から対話を重ねていくことでそれを見つけたし、また介護士役の星野
真理は、1年間お父さんの介護をすることでそれを見つけ出したのかも
しれない。

やっぱり、人を癒すのは人との関係、それも継続的な関係によって、
人は変わっていけるのかもしれない、なんて事を思ったのである。

DVD出たら多分買うと思います。
今回は、以前見た「ビューティフルサンデイ」のDVDが売ってたので
ゲット。これから見るのがちょっと楽しみなのである。



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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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