パラダイムチェンジ

2004年12月04日(土) 走れメルス

今日のネタは演劇ネタ。
今回見に行ってきたのは、NODAMAPの「走れメルス」

実はこれ、「生」NODAMAPの初体験なのである。
今まで自分でチケットを取ろうとしても、全然とれなかったんだよね。
今回見ることができたのは、友人に誘われたからである。
ありがとう、友人。

さて「走れメルス」を一言でいうと、
「どこか懐かしい感じのする舞台」である。

なんていうのかな、つかこうへいの「熱海殺人事件」とか初期の
第三舞台みたいなテイストがしたんだよね。
と思っていたら今回の舞台の初演は'76年だそうで。
知りませんでした。

おそらく70〜80年代のいわゆる小劇場ってこういう感じだったんだろ
うなあ、というよりこの辺が80年代の小劇場ブームの幕開けになるの
かな。

でも70〜80年代のテイストだから古臭いか、というとそんな事はなく、
むしろストーリーに囚われることなく役者たちが所狭しとアクトし続
ける姿は、パワフルで素直にカッコイイ。

中でも一番動き回っていたのが野田さんで。
もうあんたそんなところで必要以上に動かなくてもいいのに、と思う
位、野田さんの動きからは目が離せなかったり。

このお芝居、ちゃんとベースとなる物語の筋はあるんだけど、そんな
ことにはこだわらずに、物語なんざ、役者が演技を魅せるという事で
乗り越えちまえ、って感じなのかもしれない。

だから古田新太、中村勘太郎をはじめとして、みんな役に身体が入って
いるというか、伸び伸びと演技しているので、活きている感じがする
のである。
その辺は、その役者の引き出しを野田さんがうまく開けている感じなん
だろうなあ。

でも、表層的な「80年代ブーム」ではなく、昔の80年代って、こんな
風に猥雑さと生きるパワーにあふれた時代だったんだよなあ、と思う
のである。
その頃はまだ10代だった私にとっての80年代とは、背伸びをして、
本当は見ちゃいけないような大人の世界をちょっとのぞいてはドキドキ
する時代だったのかもしれない。

それはデオドラントされてクリーン(に一見見えるが窮屈さもある)
現代に見るから、余計に感じるのかもしれないが。
鴻上さんもこの際開き直って、ザ・80年代なパワフルな新作とか書い
てくれないかなー。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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