2004年11月10日(水) |
キャッチボールICHIRO meets you |
という事で今回紹介するのは、イチロー選手の対談集。 本当は、前にイチローに触れたときに紹介しようとも思ったんだけど 今回紹介。
この本、糸井重里がイチローに公開インタビューをしている模様を収め た本で、インタビューの一部は、「ほぼ日刊イトイ新聞」でも読めるので 参考までに。
この本、一言でいうなら、「一冊で三度おいしい」である。
一度目は、この本のメインコンテンツである、糸井重里とイチローの 対談であり、 二度目は、その下にある脚注である。 これが、今までのイチロー関連の著作物からの引用が主で、すなわち この一冊で他のイチロー本の内容も(少し)わかるようになっているの である。 もしも、気になった場合には、その本を手にとればいいわけだし。
そして三度目は、この本の巻末についているイチロー語録。 この本でのイチローの発言のみを抜き出した(だけ)のものであるが、 こうやって一連の発言を連続して眺めてみると、それらにつながりを 探している自分がいたり、またいちいち読み返さなくても、その一言 で、前後がどんな話だったのか思い出したりして、結構面白い。 こういう趣向、他の本でもやらないかな。
ちなみに、この本の中で私が特に興味を引かれた場所のみ、引用すると
糸井 急に話は飛ぶんですけど、イチローさんってすごいなと思うの は、奥さんのことを気持ちよく褒めているんですよね。
イチロー いやらしくなく、ってことですね。
糸井 ええ。いい感じで褒めてるときに「すごい才能だな」と思うんで す。(略)
イチロー でもね、彼女(弓子夫人)に関しては、もうぼくの遥か上を いってるんですよ、いろんなことが。
糸井 女の人って、みんなそうなのかもしれないな、って気もする。
イチロー 彼女の場合は、ある意味、宇宙人なんですよね。ぼくの考え つかないような次元で、話をするんですよ。やっぱり、とても、かなわ ないと思いますね。
糸井 そういう人が近くにいるっていうのは、貴重ですね。
イチロー いい勉強になりますよ。
糸井 イチローさんみたいに、今起こっていることをぜんぶわかって いたいっていうタイプの人にとっては、「わからないものが毎日そばに いる」っていうのは、最高ですよね。
イチロー うん。発見がないと、刺激にならないですし。 野球でも、今回のように苦しいシーズン(注:2003年シーズン)で、経 験できなかったことをくぐり抜けると、もっと、野球を好きになりますよね。
野球の魅力っていうのは、終わりがない。常に新しいことが出てきます。 たとえば陸上をやってしまうと、百メートル走では、もう限界が見えて きてしまうかもしれない。限界が見えるとつらくなってしまうんですよ ね、人間っていうのは。
でも、野球には追いかける要素が、もう、たくさんありますから。 (以下略)
でも、この本を通じてわかってくるのは、イチロー選手の人間っぽさ である。なんだ、イチローだって普通の人間なんだ、という普通の 人間としてのイチロー選手の魅力もわかる本だといえるかもしれない。
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