2004年10月29日(金) |
私の知っている島田紳助 |
と、タイトルには書いたが、別に島田紳助と個人的に顔見知りな訳でも ないし、口をきいた事がある訳でもない。 多分、街でバッタリ会っても、一言も口をきけないだろうと思う。
私の知っている島田紳助とは、TVを通しての島田紳助である。 それでも彼に注目してTVを見るようになって、17年くらいはたつ。 17年前、まだ私が高校生だったとき、深夜番組で放送していたクラブ 紳助(その前はMTVクラブだった)を見るようになってからのファンだか ら、一般人よりは島田紳助に関して少しは知っているといえるのかも しれない。
それ以来、島田紳助は私の最も好きな芸能人の一人であり、人間として 憧れの存在でもある。
その島田紳助が、 TVスタジオで暴行事件を起こしたらしい。 殴られたのは、吉本興業の女性マネージャーで、暴行後、すぐに110番 通報をしたために事件が発覚したらしい。
もちろん私は、その現場に居合わせたわけではないけれど、なぜ島田紳 助が女性マネージャーを殴ったのか、何となく理由はわかる気がする。 それは、同じ吉本興業所属のタレントの、マネージャーだったからで ある。
それは一体どういうことか。 これはたしかタレントのぜんじろうか誰か相手のトーク番組で聞いた気 もするんだけど、昔、紳助が監督として映画を撮っていた作品に、タレ ントのハイヒールモモコを出演させたとき、あまりにヘラヘラとしてい るので、そのマネージャーに対してキレたことがあったと思う。
でも、これは別に虫の居所が悪くて八つ当たりしたのではなかったはず である。 他のタレントさんやスタッフは、皆撮影に一生懸命になっているのに、 何でお前は自分の所のタレントにヘラヘラさせているんだ、と怒って いたような気がする。
収録現場はタレントにとっては戦場で、その戦場でタレントに最大限 いい仕事をさせるメカニックの仕事がマネージャーのはずなのに、 お前は一体何をやっているんだと怒ったんだと言っていたと思う。
これはハイヒールモモコのことが嫌いで怒ったのではない。むしろ、 ここがハイヒールモモコの勝負所だと紳助は思っていたのに、マネー ジャーがわかってないと思ったから、怒っていたと思うのである。
島田紳助は、愛の人だと思う。 これがもし、他の所属のタレントのマネージャーだったら、怒ることは ないはずである。 彼にとっては吉本興業というのはいわば身内であり、その身内のタレン トのプロモーションの障害になる事をマネージャーがしたから怒ったん だと思うのである。
今回の場合、何が原因で島田紳助がその女性マネージャーに怒ったのか は、わからない。 でも、自分が仕切っている番組で、スタッフ、出演者にも人一倍気を つかう人であるらしい島田紳助が、何の理由もなしに人をいきなり殴る わけはないと思う。
そこには、彼なりの愛があるからこその行動だと私は思うのである。
今、体罰はいけない、という事になっている。 確かにいかなる暴力行為も許してはいけないのかもしれない。
もしも私に子供がいて、むやみやたらと理由もなくわが子が殴られたら 腹が立つ。 でもその一方で、子供に自分が何で怒っているのか言葉でわからなかっ たら、たぶん私は手を上げる。
ただし、それは手を上げた理由が相手に伝わらなければ、ただの体罰、 ドメスティックバイオレンスと見なされてしまうかもしれない。 つまりそこには自分の気持ちが伝わる、という最低限の約束事が必要に なる。その場合だって、もしかしたら私は可愛いわが子に手を上げた、 という原罪を背負っていかなければならないのかもしれない。
今回の島田紳助は、おそらくは身内だと思うからこそ、手を上げたんだ と思う。 でもおそらくその気持ちは、相手には伝わらなかった、というのが、 事件の真相なのかもしれない。
彼女は示談を拒否し、「女性に暴力を振るうのは許せない」といった らしい。 でも、おそらく島田紳助が手を上げた理由は、相手が女性だからでは ない。そこに性差は含まれないと思うのである。
そして私は一方で、こうも思うのである。 その女性マネージャーは、なぜ自分の担当するタレントのいない現場に 足を運ぶ理由があったのか。 よしんばそれが島田紳助と話したいという動機であったにせよ、 なぜ、スタジオでこれから本番(だったのかは知らないが)という緊張 した場面で、不用意に話しかけてタレントの気分を害する、という 空気の読めない人が、マネージャー業をやっているのか。
マネージャーって言うのは、いかにタレントに気分よく仕事をしてもら うというのが本分だろうに。 それが自分の会社所属のタレントだったら、なおさらだろうに。
今回の件で島田紳助は10日間の謹慎処分となったらしい。 ファンとしては、紳助がタレント活動をやめないでくれてよかったなあ と思う。 でも、もしかすると今回の件がきっかけとなって、彼のセミリタイヤは 早まるのかもしれない。 それはファンとしては、とてもかなしいことなのである。
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