シアトルマリナーズのイチロー選手が、80年以上も破られなかった メジャーリーグのシーズン安打記録を更新した。 いや、スゴイ。
でも、私が本当にスゴイな、と思うのは新記録という結果をイチローが 残したことではない。 そうではなくて、元々イチローがスゴイんだ、と思うのである。
今年のイチローはそれでなくても記録づくめである。 1シーズン3回以上の50安打は、メジャー記録にもない新記録らしいし。 その他にもバッティングに関しては、枚挙にいとまがない位の記録 ラッシュ。
でも、そのイチロー、去年の今頃は本人曰く、生涯初めてのスランプに 陥っていたのである。 その頃は、今までは当たり前のように打てていたヒットが、どうすれば いいのかその脱出法がわからない、なんて事を言っていたインタビュー 記事を読んだ事がある。
それが今シーズンは、シーズン初めこそちょっとスロースタートだった が、その後は記録ラッシュの怒涛の快進撃。 しかもバッティングだけではない。 守備も安定して、レーザービームなスローイングと、広い守備範囲を 誇っていたようである。
30代に入った今もなお肉体的にも成長し続けるイチロー自体がやっぱり スゴイんだよなあ、と思うのだ。
でも、スゴイのってイチローだけではないと思う。 昨年は苦戦したカットボールを克服して、しかも東京ドームの気圧差を 利用したドーム風の援助のないアメリカで打率3割、ホームラン30本を 達成しようとしている松井秀喜だってスゴイと思うし、田口だって メジャーと3Aを行ったりきたりしながらも、タフにメジャーリーガーと して頑張っている。
大塚や高津は、今年初めて行ったメジャーで抑えとして信用されはじめ ているし、多田野や大家や、長谷川や石井や野茂だって、ケガなどが ありつつも、メジャーのマウンドで頑張っていると思うのだ。
日本のプロ野球にしたって、昨年から外部からの戦力補強を行なわない でセリーグのペナントをとった監督の1年目の落合だってスゴイと思う し、ファイターズだってポストシーズンで観客をわかせている。
そして選手会長の古田は、この激動のシーズンにあって打撃も好調で 通算2000本安打を間近に控えているのである。 そもそも、プロ野球選手としてやっていける事自体、日本の野球人口で 考えたら、一握りの成功者だともいえるわけで。
それはプロ野球に限らず、どんな世界のどんな人だって、ちょっと違う 角度から見れば、みんなどこかスゴイ部分はあるのかもしれない。
などと、話が大きくなってしまったが、記録がスゴイのではなく、それ を実現する人や、その記録に意味をつける人間、それを楽しむ人間の 文化ってスゴイんだなあ、などと改めて思うのである。
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