パラダイムチェンジ

2004年08月27日(金) 美の祭典

日本の金メダルラッシュも一段落を終えたようだが、相変わらずオリン
ピックにはまっている。

オリンピックも閉幕が近づいてくると、体操競技のエキジビション(ガ
ラっていうらしい)が始まり、また新体操、水泳ではシンクロなどの
芸術的要素の高い種目が続く。

それらを見ていると、ああ、オリンピックって美の祭典でもあるのだ
なあ、という事に改めて気がつくのである。

体操競技のエキジビションは、メダリストが中心になって、音楽で
合わせて飛んだり跳ねたり、自分の種目のパフォーマンスを披露する
のである。

今回のアテネオリンピックのガラは、単にそれだけでは終わらない、
幻想的な空間を演出しているのに驚いて、思わずDVDで録画してしまっ
たほどである。

さすがはオリンピック発祥の地にして、ギリシア悲劇など、何千年も
前から芸術を愛する国。気合の入り方が違うと思ったわけである。
選手たちもこの地で自分のパフォーマンスを披露できることはとりわけ
うれしいことなんじゃないのかな、と思ってみたり。

そして、シンクロのデュエット競技は惜しくも生中継では見られなかっ
たものの、新体操の個人総合と、シンクロの団体は、生中継で最後
まで見てしまった。

シンクロのデュエットにしても、団体にしても、ニュースでは日本の
演技しか見せないんだけど、一連の競技の流れの中で日本の演技を
見ていると、そのすごさは思わず鳥肌が立つほどであった。

なんというのか、演じている選手たちの気迫がすごい、と思ったので
ある。

私が以前ダンス競技をしてたからそう思うのかはわからないが、
本当に集中し、気合の入っている人間のパフォーマンスって、
本当に指の先、足の先まで綺麗に整い、そしてまるで音楽と
一体化しているかのような印象を、みる人に与えると思うのだ。

そしてシンクロ団体の場合はそれが8人。そしてこれが最初で
最後、1回きりのパフォーマンス。
その土壇場の演技で、日本は本当に見ているこっちが息を
のむような演技をみせてくれたのである。

終わった後は思わずTVに向かって拍手をしてしまった。

でも、
その日本を超えるパフォーマンスをみせたのが、ロシアのチームで。
私はシンクロの事はよくわからないので、技術的に細かいことは
わからないんだけど、ロシアの演技を見た後は、やっぱり負けても
しょうがないのかな、と思わせる説得力があったと思う。

でも、追うものとしての気迫ではロシアに勝ってたと思うのだ。
だから、確かに惜しかったけど、銀メダルを取れたペアも、団体も、
日本は勝者だと思うんだよね。

だって、まったくの素人の私の目をひきつけ、ファンにしてしまう魅力
があったんだから。
ロシアにしたって、懸命に追ってくる日本という存在があったからこそ、
更に進化し続けたんだと思うし。

だから常に常勝軍団を追い続けるって言うのは、苦しいことかも
しれないけど、でもその一方では、変わらない情熱でコーチの
井村さんは、今後も選手たちを指導していってほしいなあ、と
思うのである。

はっきりいってヨーロッパ勢が有利そうな芸術系の種目で
あくまで日本という事にこだわって、日本独自のものを見せようと
する、その情熱こそが、見ていて清々しさ、勇気とは何か、と
いうことを教えてくれるような気がするのである。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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