2004年08月23日(月) |
オリンピック女子マラソン |
というわけで、相変わらずオリンピックにハマっている。 しかも、いよいよ待望の陸上競技が始まってしまったので、寝るべき か、起きてるべきかの判断にはすごく悩む。
私は、オリンピック種目の中では、陸上競技が一番好きである。 かといって、今まで陸上をやっていたわけでも、普段から陸上に興味 があるわけでもない。
でも、オリンピックと世界陸上の時の、世界のトップアスリートたち のパフォーマンスには、いつも心を躍らせている。
日本人選手を応援するのはもちろんだが、陸上に関しては国籍を問わ ず、選手たちが自分たちの身体を駆使してたたかい、そして観客の 大歓声にこたえている姿を見ると、神々しく感じるのである。
日曜の深夜、月曜の未明には、たまたまマラソンのスタートを見て しまったがために結局最後まで見続けてしまった。 というより、目が離せない展開だったのである。
普段の私はマラソンはめったに見ない。その前にちゃんと見た記憶が あるのは、シドニーオリンピックの女子マラソンまでさかのぼる。 それは、興味がないというよりは、集中力が続かないせいである。 でも、今回のマラソンは、そんな私がじっと見続けてしまうくらい、 面白い試合展開だったのだ。
スタートしてトップ集団が形成された時、その先頭を走る世界記録 保持者、ラドクリフと、それに並んで走る野口みずきの姿なんて、 まるで大人と子供のようであったし。
そんなまるで子供のような野口みずきが、25kmを過ぎたあたりから 抜け出し、27kmでは、完全に後続を引き離し始める。 それに遅れまいと必死に追いついていこうとするラドクリフと、世界 陸上王者のヌデレバ。
ラドクリフの走り方が上下に大きくゆれ、若干苦しそうなのに対し、 ヌデレバは、ピシッと上体をそらし、正確で綺麗なフォームで、 野口を追いかけていく。
それに対しトップを走る野口のフォームは、空撮で見ると結構左右に 揺れているように見えるんだけど、ヌデレバと遜色のないタイムで 徐々にラドクリフを置き去りにしていく。
ラドクリフは強烈な西日に向かって走り続ける36km地点で足が止まる。 泣きじゃくり、コースにしゃがみこむ世界記録ホルダーの姿が、この レースの過酷さを物語っているようである。
残り約10km地点、猛烈な下り坂にさしかかると、徐々にヌデレバの 姿が大きくなってくる。 正確なピッチでひたひたと近づくヌデレバ。 一時は30秒以上離れていたその差は、残り5kmでは約14秒差にまで 縮まってくる。
前回の世界陸上ではヌデレバに追いつけなかった野口に今回はヌデレ バが追いついてしまうのか、ゴールの旧オリンピック競技場に入る まで、ハラハラし続けていたが、結果的にはその差は縮まらず、 野口みずきが1位でゴールイン。見事に金メダルを勝ち取った。
ヌデレバはゴール後、脱水症状のためかその場でへたり込む。 そして野口もミックスゾーンでのインタビューにこたえる余裕はなく 医務室へと運び込まれる。
その二人の姿を見れば、その終盤のデッドヒートがどれだけお互いに 大変だったのかを物語っているようだった。 いや、本当、いいレースを見せていただきました、って感じで、 ヌデレバにも惜しみない拍手をあげたい気になったのある。
でも、野口はこれで世界記録保持者、世界陸上王者を下しての 世界一に輝いたわけで、個人的に興味がわくのは、高橋尚子との 新旧金メダリスト対決が見てみたいなあ、なんて思うのだが。
近いうちに、できれば大きな晴れ舞台でこの二人の対決がみて みたいものである。
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