パラダイムチェンジ

2004年08月02日(月) 朝まで生TV

7/30深夜にやっていた朝まで生TVを久しぶりに見た。といっても、
深夜夜ふかしをする体力はないので、録画した奴を見たわけだけど。

今回の主題は「プロ野球再編問題」
ライブドアの堀江社長と、プロ野球選手会会長の古田選手が出演する
ことが話題になっていたらしい。

で、見た感想はというと、・・・・・・なんつうか、まとまりに欠ける内容
だなあ、と思ったり。

元々、プロ野球に関心がなく、FAの移籍金とドラフト逆指名選手の裏金
問題すらごっちゃにしてしまう田原総一郎が司会の上に、やはりプロ
野球のことは知らないくせにナベツネの手紙を携えて、堀江社長の服装
にいちゃもんをつけるためにやって来た三宅久之と、結局この話題で
何が言いたいのかわからない、遅れてきたケンカフェミニスト、遥洋子
と、ただプロ野球好きってだけで意見のころころ変わる、ファン代表?
のヨネスケを交えて、一体どんな活発な議論が期待できるのか。

録画放送だったとはいえ、シーズン中に呼び出された古田選手は、
お気の毒としかいう他はない。ほんと、お疲れさまでした。

でも、個人的に収穫かな、と思ったのは、ライブドア社長の説く、バフ
ァローズ再建案がちゃんと具体性をもち、日本プロ野球界にはスポーツ
ビジネスとしての可能性がまだあるという示したことだろう。

堀江社長の頭の中では、これをきちんとビジネスとして成立させると
いう腹づもりはあるようだ。

彼の発言で面白かったのは、巨人戦の視聴率が2ケタに達しない現状〜
将来では、対巨人戦の放送権料頼みのビジネスモデルは成り立たない
から、インターネット上で顧客の囲い込みをはかり、会員制のペイTV
として配信したい、という考えである。

ま、はたしてどれだけの数のファンを囲い込めば商売としてペイする
のかは知らないが、それをライブドアポータルのキラーコンテンツの
一つにしたいという事だろう。

Jリーグに手を出さないのは、その辺の権利関係がJリーグ事務局に
押さえられていて、おいしくないって事なのかもしれないし。

ついでに言えば、この堀江流プロ野球ビジネスが成功した場合の、
球団株式上場による売却益まで彼の頭の中では勘定に入っているのかも
しれない。

でも、もしもその方法がうまくいくのなら、今後のプロ野球経営は、
各球団もたとえば独自配信なり、ヤフーやソネットなどの大手プロバイ
ダと提携しての新たな形での放送権料ビジネスは成り立つのかもしれな
いし、各プロバイダ側も、独自の映像コンテンツを手に入れることが
できるのかもしれない。

そしてなにより対巨人戦の放送権料に頼らない、という意味では、
巨人オーナー、ナベツネの発言力をも弱めることができ、今後のプロ
野球の発展には貢献できると言えるのかも。

なんて、素人の想像はおいといて、朝生TVに戻ると、
結局この番組で際立ったのは、そんな風にこの再編問題をビジネスと
して捉えている人と、ただ単に思いつきを述べている人との壁の大きさ
のような気がする。

でも考えてみれば当たり前だよね。
あのパネリストの中で当事者なのは、古田選手と、あとは強いて言えば
ライブドアの堀江社長だけで、あとは単なるヤジ馬が、やいのやいのと
言ってるだけなんだから。

だからせめて彼らヤジ馬組には、当事者たちから今後のプロ野球発展の
可能性についてどう考えているのか、その考えを聞く、という流れの
方が、番組としては確実にタメになったと思うんだけど。

で、結局一番のガンは、もう片方の当事者でありながら、そうした
建設的な意見にはちっとも耳を傾けず、自分たち主導の再編ありきで
動いている会員制クラブ、サロンでたむろっているオーナー連中だと
思うのである。

本当、彼らさえ何とかなれば、もっといい知恵も出てくるだろうし、
日本プロ野球にもまだまだ可能性はあると思うのに。

もう一つ、この番組で明らかになったと思うのは、今までの球団経営が
本当にいかにずさんだったか、という事である。

近鉄が球団を手放すときの理由として挙げたのが、年間の赤字が40億円
にも達するという事だが、元西武、ダイエー球団社長の坂井さんによれ
ば、近鉄の場合30億円の収入はあるはずなので、どう考えても40億円の
赤字は、大阪ドームのレンタル料と、選手年棒の高騰が経営を圧迫して
いるだけでは、理由がつかないという事である。

すなわち、そこにはよほどヒドイ丼勘定があるのか、それとも表沙汰に
はできない裏帳簿や、親会社の借金の肩代わりが潜んでいると勘ぐられ
ても、おかしくはないようで。

だからいま一番、プロ野球の経営の健全化のために必要なことは、
古田選手も言っていたように彼らの財務諸表をマスコミでなくても、
専門家の第三者に公開してもらうことなのかもしれない。


でも、これだけの騒動に巻き込まれながら、現在セリーグで首位打者を
争っている古田もすごいよね。
誰がなんと言おうとも、今年の俺的MVPは古田選手で決まりだろう。


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