パラダイムチェンジ

2004年07月11日(日) そして会議は踊り続ける?

という事で個人的な対案をだしてみる。
この合併話、プロ野球再編の話が出てきたとき、経団連の奥田会長や
ナベツネが「日本の経済規模を考えたら8球団くらいがちょうどいい」
とのたまった。

まあたしかに今後、日本国民の数が減り続ける(責任の一端には未だ
未婚の私にもあるが)かぎり、経済規模の減少も視野に入れれば、
右肩上がりの観客動員の増加は難しいかもしれない。

でもじゃあはたして8球団がベストだったとしても、現状のままの
チーム分布がベストなんだろうか。


今までのプロ野球チームを地図上に並べて感じるのは、関東と関西への
2極集中である。

たしかに阪神タイガースという超人気チームのある関西圏に近鉄、
オリックスというパリーグの球団を含めて計3つあるのは、市場規模で
考えたら多過ぎなのかもしれない。だから再編して3→2にするのは、
妥当かもしれない、と仮定してみる。

でも、そうであるなら、3→2に減らすのではなく、1球団を地方に移し
てみるというのはどうなのか。
そしてその場合は、8球団にこだわらずとも、現行の12球団だって
セパ交流戦などを取り入れれば、なんとかなるんじゃないのかな。

今現在、日本国内でプロ野球があるのは、九州(1)中国(2)
近畿(3→2?)東海(1)関東(5→4?)北海道(1)であり、四国
北陸、東北にはプロ野球チームは存在していない。

四国の松山には坊ちゃんスタジアムという芝生のグラウンドのいい
球場があるらしいし、北陸の石川県は松井の出身地だし、東北だって
仙台は東北福祉大など、野球の強いチームがあり、野球熱が決して
低いわけではない。


メジャーリーグの場合、現在大家の所属するモントリオールエクスポズ
は、観客離れなどの財政難により、オーナーが手放してしまい、現在は
たしかMLB機構とその他の29チームによって運営されているはずである。

そのモントリオールエクスポズは、今後本拠地をモントリオールから
ドミニカ共和国!や、ラスベガスに移転して経営再建を図ろうという
計画があるらしい。
すなわち移転した先で新たなファン層を獲得できれば、また復活する
可能性はあるってことかもしれない。

日本のプロ野球機構もそれにならって、旧近鉄バファローズを一時的に
機構の管理下におき、地方移転を考えてみるのはどうなのか。

近鉄の場合、今一番のネックになっているのは、大阪ドームの使用料が
年間10億円もかかることだろう。
で、あるならば今はまだプロ野球のない地方で安く球場をレンタルさせ
てくれる所を募集してみてはどうなのか。

今は箱物行政の影響で、あまり使われていない球場なんてざらにあるん
だろうし。
その地方にとっても、地域の活性化、そして観光客増を見込めるんだか
ら、万々歳だと思うんだけど。


今年、日本ハムが北海道に移転した後、新庄効果もあるんだろうけど
元気に見えるのは、東京ドームにくらべても、だんだんと自分たちを
応援してくれる観客が増えつつあるかららしい。

彼らに言わせると、今まで対ダイエー戦で福岡ドームに行ったとき、
地元の熱烈なファンの前でダイエーの選手たちがイキイキとプレー
している姿がうらやましかったらしい。

そんなふうに直接応援してくれるファンがいてこそ、選手たちにも
張り合いが生まれ、いいプレーができるのかもしれない。
事実、福岡ダイエーホークスはそんなふうにファンとともに歩んで
着実に強くなっていった。

去年の日本シリーズで阪神、ダイエーとも地元のホームゲームは全く
落とさず、結果ホームゲームが1試合多かったダイエーが4勝3敗で優勝
したのも、そういうファンがあってこそだろう。


とまあ、いろいろと述べてはみたものの、一番のネックは特に一部の
オーナーたちがそういうファンの声、そして選手たちの声にまったく
耳を貸さないことだろう。

ま、実際ナベツネの言うとおり、プロ野球の協約には、経営権を持つ
ものが、ファンや選手たちの意見に耳を貸さなきゃいけないなんて
一言も書いてはいないんだろうけど。

また、日本プロ野球機構の権限が弱く、一部のオーナーの意見に牛耳ら
れているかぎりは、どんなにすぐれた対案が出てきても、それは画に
書いた餅にしかすぎないのかもしれない。

でもね、その一方でプロ野球オーナーたちは、大切なことを見落として
いると思うのである。
それは、プロ野球のみならず、野球というソフトの魅力、面白さを自分
たちの言動、そして行動がどんどん下落させている、という事である。

Narinari.com でも今週号の週刊文春に載っていた、近鉄本社社長の談話
についてふれていたが、あれが本来ならば酒を飲んだ席でのオフレコ
発言であったとしても、ひどすぎると思う。

だってそこにプロ野球をよくしようという愛はみじんも感じられない
からである。
そして今までの長きにわたって、そうしたオーナーたちに牛耳られて
きたプロ野球自体が不幸だったといえるのかもしれないけれど。

リーグ設立時に百年構想を打ち出したJリーグに対して、10年後、20年
後のプロ野球は、はたして人々にどのように見られているのだろうか。

ま、まちがいなくその頃には今君臨しているオーナー達の半分はいなく
なっているんだろうけど。
そういう彼らにそもそも長期展望に立て、というのが無理なのかもしれ
ない。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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