パラダイムチェンジ

2004年07月06日(火) なぜ、三菱自動車ばかりが燃えるのか

最近、三菱自動車製の車が、あちこちでよく燃えている。
リコール隠しなど、様々な悪事を重ねてきた同社であるから、
その自動車が、燃えてもおかしくはないと思う人も多いだろうし、
やっぱり信頼性は低いんだ、と思って買い控えをする人も多いの
かもしれない。

前年比新車販売台数60%減、という背景には、そんな風にニュース
の影響も(少しは)あるかもしれない。
私自身も、今じゃあ、三菱自動車を買うか、と言われたら正直ためらい
たくなっちゃうし。

でもね、ちょっとだけ疑問も残ったりするのである。
最近やけに三菱自動車が燃えるというニュース、多くないっすか?

私が疑問に思うのは、数ヶ月前、三菱自動車のリコール隠しなどの
不祥事が発覚したのと時を同じくして、今まではなんともなかった
三菱製自動車が燃え出したっていうのは、どう考えても不自然なん
じゃないのかな、ということである。

つまり、今までも同じ頻度で三菱製自動車は方々で燃えていて、
それが今まではニュースとしては大々的には取り上げられなかった
という方が自然なんじゃないのかな、と思ったわけですね。

じゃ、なんで今まではニュースにならなかったのだろう?と思うと
そこには、新聞にせよTV番組にせよ、三菱自動車や三菱グループは
大きいスポンサーでもあるわけで、そこは大人の事情で私たち消費者
には教えてもらえなかったのかなー、なんて考えていたわけだ。

そうしたら、たまたま読売新聞のウェブサイトで、私の疑問に答えて
くれるような記事を発見したのである。
ちなみにその記事は、社会欄7/6付3:00に配信された記事である。

なんでこんなもってまわった書き方をするかといえば、無断転載禁止
の上、タイトルを書くことも著作権の侵害にあたるからだそうで。
せっかくいい記事なのにねえ、もったいない。

という事でここでは私の独断で、要旨だけ書かせてもらうと、
国土交通省によれば、2002年の車両火災は8617件(放火事件も含
む)。大体年平均で1万件の車両火災があり、1社あたりの年間発生件
数は約600件。

だから、三菱自関係者によれば、「統計上は1日1件燃えていても不思
議ではない」らしい!
国交省担当者も、「三菱車で急に車両火災が相次いでいるわけではな
い」と言ってるらしい。


なんだ、やっぱり今までだって燃えてたんじゃん。しかも三菱自動車
に限ったことではなく、他のメーカーの車だって燃えている可能性は
あるって事なのだ(ただし放火も含むが)。

私たちはどうしても、日本製の自動車は頑丈で壊れにくく、しかも
車検制度もしっかりしているから、車が燃えるなんてありえない、と
思いがちだけど、日本に何万台の車があるのかは知らないが、燃えて
いるのはその中の数%だと思えば、その位の割合で、整備不良車が
あっても不思議ではないのかもしれない。

第一、外車はもっと高い確率で燃えているのかもしれないわけだし。

だから、突如ニュースとして三菱自動車だけがピックアップされ
出した、という事のほうが実は不自然なのかもしれないわけだよね。
もちろん、三菱製自動車が燃える事自体にニュースの価値を認めた
からこそ、メディアはこぞってニュースとして報じたわけで。

その裏には、あの三菱自動車がまた!というメディアと我々の予断
が隠されているんだろうなあ、と思うのである。
そう思うと、ニュースとして選ばれる価値って一体なんなんだろう、
と考えてしまったり。

でも、おそらく三菱自動車の関係者は、たぶん今頃は、うちだけに
限ったことじゃないのになんでうちだけニュースにするんだ、
と苦虫をかみつぶしてるんだろうなあ。

それをいったら、また反省が足りないとか言われるんだろうし。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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