パラダイムチェンジ

2004年06月01日(火) 智慧の実を食べよう2

またまた先日の話である。斉藤孝の講演会の翌日、5月16日の日曜日は
ほぼ日刊イトイ新聞主催のトークイベント「智慧の実を食べよう2
−学問は驚きだ−」
の日だった。昨年実際に会場に足を運んだ「智慧の
実を食べよう」
の2回目である。

といっても今回は会場まで足を運んだ訳ではない。自宅のPCで、ストリ
ーミング放送を見ていたのだ。しかも8時間!
自分でもつくづく乗せられやすいアホだなー、と思ったりして。

事の起こりは、今回のチケットが4日間で完売してしまった事にある。
行こうかどうしようか迷っている内に、売切れてしまったわけですね。

また前回は会場に行った分、前回も行なわれていたストリーミング放送
の副音声を、今回は聞いてみたかった、というのもあって、自宅で8時
間も、座ることにしたわけだ。はなまるキャスターの今泉さんの声 とか
好きなんだよね。

と、いう事で実際に8時間、PCの前で座っていた訳だが、さすがに会場
ではなく、自宅で8時間、講演に集中するのは相当厳しかった。

大体8時間連続してPCの前に座ること自体が稀だし。
最後の方は昼飯をちゃんと食べたにも関わらず、お腹が空いて半ば
上の空だったし(失礼)。

でも、ストリーミング放送自体は途中で何回か途切れることはあっても
別窓でブラウジングしてても何の問題もなく快適だった。
というより、集中して聞いていなかった事がバレバレですな。


でも、講演自体はとても面白いものばかりだった。詳しいことは機会が
あれば、本が出版された時にでも書くとして、中でも一番興味深かった
のは、冒頭の講演、山岸俊男氏の「人間の行方」だった。

お話自体は自身の著書「安心社会から信頼社会へ」「社会的ジレンマ」

をもとにした講演だと思うのだが、実際聞いてて、ほうほうとうなずき
PCの前で身を乗り出し、メモまでとってしまったほどである。その後、
著書まで買ってしまった。大はまりである。

何が一番面白かったのか、かいつまんで書けば「正直者は馬鹿を見ない
で一番得をする」ということである。これが実験で証明できるというの
が面白い。

そして、信頼と安心はイコールではなく、なかなか機会を得ることが
できないと人間は、社会的共感性が低くなりがちになり、人間関係に
敏感になり、人間関係で物事を判断するのに対し、機会に恵まれる人は
人を信頼しやすくなり、その代わりとしてリスクも背負うが、誰が信用
できて誰が信用できないのか、という見極める目を持つ、らしい。

ついでに言えば(言ってなかったと思うが)、一度や二度の失敗でクヨ
クヨすんな、って言われてる気がして、おお、とうなずいたのである。

まだまだ面白いネタはあったのだが、それはまた今度にでも。
あ、ちなみに数日前の日記のタイトル「モノからヒトへ」は、同じく
講演を行なった岩井克人氏の講演内容からパクらせて頂きました。

糸井重里も言っていたが、8時間、それぞれ違う内容の講演内容だった
にもかかわらず、通して聞くと何か共通した要素があるようで、とても
面白かった。いや、充分有意義な8時間でした。


ちなみに次回からはもしかすると、ストリーミング放送は有料で行なう
かも、しれないらしい。確かに只で聞くにはもったいない内容だったが
ちょっとさびしいかも。

ストリーミング放送の合間、休憩時間中に山岸先生が放送ブースに
ひょっこりやって来て、糸井さん他と雑談を交わしていたんだけど、
その時ボソッと、「例えを使うとわかりやすくなった気はするんです
けど、物事の本質からは逸れるんです」と言っていた。

うーん、そうなのかもなあ。
といっても、メタファーを使わない限り、他人に対してわかりやすく
伝えることができない気がする私は、今後もメタファーを確信犯的に
使い続けると思うけど(と、いうより、果たして私の話の本質を掴む
必要があるのか、という話もあるが)。






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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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