パラダイムチェンジ

2004年05月30日(日) 偏愛マップ

ちょっと前の話に遡るが、5月15日に斎藤孝の講演会というか、ワーク
ショップに参加してきた。場所は神田の三省堂書店本店。

実際に見るのは初めてであったが、予想にたがわぬハイテンションの
人であった。
そして、今回のワークショップのネタは、自身の著書「偏愛マップ」
を元にして、自分で偏愛マップを作成し、それを見ず知らずの人と
見せあいっこして、何も共通点のない状態から共通点を見つけて話に
花を咲かせましょう、という趣向である。

ここで、偏愛マップについて簡単に触れると、自分自身の大好きな物を
A4の紙一杯に、できるだけ具体的に書き込んだチャートである。紙は
自由に使って構わない。そして、具体的に書けば書くほど、他人との
共通点を見つけやすくなる、という特徴があるらしい。

ここで、私がその時作った偏愛マップの一部を書けば、
・ハンバーガー  ・クアアイナ
         ・ハードロックカフェ
         ・ホームワークス

・ラーメン    ・屯ちん
         ・つけめんよしべえ

・最近興味のあるもの  ・70年代ロック・サッカー・格闘技

のように、アットランダムになるべく細かく書いていった。
このうち、実際に相手の興味をひいたのは、ハンバーガー、ラーメン
70年代ロックあたりに話題が集中した。

そして、斎藤先生曰く、「偏愛マップを用いれば、好きな人は元より
自分が苦手だと思う人とも、話題が持ち、場合によっては相手と共感
が得やすくなる」「話が続かないのは、お互いの好きなものが重なら
ないからだ」「嫌われる人間は、相手の世界に興味を持たない人間で
ある」「偏愛マップを透かして相手をみれば、相手が何を好きかに
よって、相手のオリジナリティが形成されているかがわかる」そうだ。
詳しくは本を参照してもらいたい。


と、言うわけで、実際に偏愛マップメソッドを行なってみた訳だが、
その感想は「結構難しい」である。
時間が5分と制限されていた、というのと、いきなりトップギアに
入って話すように、と言われていたせいかもしれないけれど、対話が
意識レベルというか、脳レベルで行なわれていて、なかなかお互いの
身体に染み込んで共感する、というレベルには落ちてこなかった。

偏愛マップでお互いの好きなものの共通点を見つけても、今度はその
偏愛度というか、思い入れの量の差なのかはわからないが、違いと
いうか差異の方が目立っていた気がするんだよね。なんというか、
オタク的ヒエラルキーに巻き込まれていた気がするのだ。

また、ここの所をもう少し掘り下げてみたいなあ、と思っても、双方向
というよりは、一方通行の質問合戦になっている印象があったり。

どちらかというと、自分の身体まで下りてない分、深い共感という
よりは、話の表層をなぞっている感じだった。

だから個人的には、いきなりトップギアには入れない方が向いている
のかもしれない。また、コミュニケーションって、もう少し身体を
感じられる距離で行なった方が、より深い共感をお互いに感じられる
ような気がする。

もちろん、それでもいきなり初対面の人と5分間も話を持たせることが
できるなんてすごい、なんて見方もできるのかもしれないが。


もう一つ、このメソッドに参加して改めて気が付いたのは、自分が質問
することには慣れていても、質問されることに慣れていない、って事
である。だから、ちょっと話に間が空いてしまうと、そこを自分の質問
で埋めてしまうんだよね。

だから、個人的に相手の事はよくわかっても、相手にしてみると、
ちっとも私の事がわからない、というか印象に残りにくかったのかも
っしれない。それは職業柄なのか、それとも人見知りで、知らず知ら
ずの内に身構えているせいなのかはわからないが。

でも、確かに例えば合コンの場で、自己紹介につまるよりは、偏愛
マップの交換を行なった方が、より話に花が咲くかもしれないし、
また、例えばWeb上で、自分の偏愛マップを晒すというのは、アリかも
しれない。というより、この日記自体が、そんな感じなのかも。

また、個人的には、英会話でネイティブの人と話をしなきゃいけない
時に、1枚の紙を用意して偏愛マップコミュニケーションや、同じく
斎藤孝提唱のマッピングコミュニケーションを行なってみるのも
面白いかもしれない、と思ったのである。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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