今回は映画ネタ。今回見てみたのは 「ターミナル」。 この映画、一言でいうなら、「How to Survive at the Airport」で ある。 たしか、アメリカ陸軍かどこかの軍事マニュアルには、サバイバルの 条件として、次の言葉がのっている。 「生きる希望をなくさないこと」
トムハンクス演じる主人公は、クラコージアという、まるで病名みたい な名前の架空の小国からNYにやってくるが、入国審査ではねられて しまう。 彼が飛行機に乗っている間に政変が起こり、そして内戦となったために パスポート、ビザは無効ついでに自国通貨もドルに換金できなくなって しまう。 しかも彼は満足に英語を話すことができず、今自分がどんな状況に おかれているのかも最初はわからない。
そんななかで、空港のカートを元に戻して25セントを稼ぐところから 食べる手段を見つけ、そして改装中の空港ロビーを自分好みに改装し、 中にいる職員たちと仲良くなって自分が晴れてNYに降り立てる日を 待ち望んでいる。ある一つの目的を果たすために。
この映画、さすがはトムハンクス、今までにも無人島に漂着したり、 月に向かうロケットが故障したりとサバイバルの状況にあっても、 希望を捨てずに面白おかしくすごしてきただけのことはあって、 あまり悲壮感はただよってはこない。 つうかできすぎである。
この映画の元ネタになった人がたしかフランスのシャルルドゴール空港 にいて、その人は難民証明書とパスポートが盗まれたためにその空港で 生活をする境遇に陥ってしまったというのを、何年か前のCNNで見たこ とがあるんだけど、さすがにこんなに優雅な生活は送っていないだろう なあ、と思うのである。
でも映画自体は思った以上によくできていて。 自分もアメリカの空港でトランジット待ちを一人でしたことがあるん だけど、荷物は持ってなきゃ不安だし、英語も決して流暢ではないの で、出発便を間違えたらどうしようとか、異国で一人でいる時の孤独 感ていうのはよくわかる気がするのである。
でもその時も、さすがに10年前だから、向こうにしたら子供に見えた んだろうなあ、空港の職員が親切だったことは今でも覚えている。 この映画でも、そういうアメリカの懐の深さというか、ある種のいい 加減さが救いになっているような気がするのである。
はっ、もしかするとこれって、トップ(ブッシュ)はおバカな単独主義で 嫌われても、下々の者たちは皆さんに対して寛容なんですよ、という アメリカ(というよりハリウッド)の宣伝キャンペーン映画なのか? (考えすぎである)
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