パラダイムチェンジ

2003年11月29日(土) 「マトリックスレボリューションズ」

今回のネタは「マトリックスレボリューションズ」。
やっぱり前2作を観た者としては、3作目も映画館で観たかったし。
という事で、遅ればせながら見に行ってみる。

この映画、一言でいうと「ウォシャウスキー兄弟はやりたかった事を
全部やった映画なんじゃじゃないのかな」である。

とりあえず、物語に関してはネタバレ満載につき、次回においといて。
あ、でも今回もネタバレ満載かもしれないので、まだ観てない人は
要注意。

どういうことかといえば、今回ラストのVFXに33億円もの大金が
投じていられるらしい。
で、じゃあそれだけ巨額のアクションシーンとは一体どれくらい
すごいものか、と思ってみると微妙だったりするんだよね。

その微妙さは一体どこから来たのか、といえば、おそらく我々日本人
は、どこかで観た事があるような気がしてしまうからかもしれない。
そう、ぶっちゃけて言ってしまえば、まるでドラゴンボールの、
スーパーサイヤ人同士の闘いに見えてしまうのだ。

それを、実写で、しかもCGの雨の中で行っているという労力たるや
すごいもんだと思うんだけど、1観客として観た印象は、どう見ても
スーパーサイヤ人の闘い。

で、実はこの3作目には、同様にどこかで見たようなシーンが数ヶ所
存在する。
セントラルドグマ?での攻防戦での、ヤマトっぽいミフネとキッド、
そしてジーたちの闘いとか。

昔からの日本アニメおたくであるらしい、ウォシャウスキー兄弟と
しては、かつての日本のアニメに触発されたシーンを、たとえどんな
に巨額を投じたとしても、実写で実現させたかったんだろうなあ、と
思うのだ。

だから、ストーリーがどうのこうの、というよりは、自分たちが作り
たかったシーンから逆算されて、この3作目は出来上がっているような
気がするのである。

でも、これは第1作が大ヒットをして、その制作費が回収できるあての
ある、このシリーズだったからこそ、できた気もするわけで。

第1作、マトリックスが公開された時、私たちがビックリしたのは、
それが今だかつて見たことのないシーンの連続だったからだろう。
あの弾除けシーンや、白バックの背景からいきなり武器庫が現れる
シーンや、そして重力を感じさせないワイヤーアクションなど、一つ
一つのシーンが新鮮だったからこそ、手放しの評価を受けたのだと
思う。

で、今回の作品に関して言えば、これでもうやりたい事をやりつく
してしまった感のあるウォシャウスキー兄弟の次回作が果たして
どんなものになるのか、「マトリックスの亜流」と言われてしまう
のか、の方が気になったりする。
まあ、もうこの先映画を作んなくても充分な位の富は得たのかも
しれないけど。
できればまた、あっと驚く新鮮なシーンの連続した映画を見せて
くれないかなあ。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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