パラダイムチェンジ

2003年07月19日(土) 「踊る大捜査線 The Movie2」ネタばれ無し

さて、あらかじめ断わっておくが、今回の日記は、かなり支離滅裂である。

今回のネタは、
「踊る大捜査線 The Movie2−レインボーブリッジを封鎖せよ」
公開日初日、オールナイトでの鑑賞。

さて、私は実はかなりの「踊る大捜査線スキー」である。
TVシリーズ全11話と、その後のTVスペシャルは全部録画してあるし、
前作の映画ももちろん、うちにある。

で、ちょっと前までTVでも再放送していたみたいだけど、今回の映画公開
にあわせて、TVシリーズと映画は見直しておくという念の入れよう。
すっかり準備万端である。

で、そこまで入れ込んでみた、今回の映画のできばえは一体どうだったん
だろうか。
いつも通り一言で言えば、「踊る大捜査線好きなら、間違えなく楽しめる
作品」であると思う。

つまりどういうことかと言えば、前作に比べると、踊る〜を知らない人への
アピールというか、映画としてのまとまりはちょっと落ちるような気がする
のだ。


これは、前作を制作する時に、脚本家の君塚良一が言った言葉なんだけど
「映画のようなTVシリーズを作ったんだから、映画ではTVドラマのような
映画を作ろう」と言ったらしい。

おそらくは今回もその精神は貫かれているような気がする。
すなわち、2時間あまりの一本の映画の中に、全11話からなるTVシリーズ
のエッセンスが余さず取り込まれているような映画作品になっていると思う。

ただし、9時間以上にもなるTVシリーズのエッセンスをぎゅうっと押し込め
ているから、結果一つ一つのエピソードの尺は短くならざるを得ない。
その分ちょっともったいないと言うか、これがTVシリーズだったら、もう
ちょっとこのシーン深く描けそうだよなあ、という部分がなきにしも非ず
だし、結果全体のまとまり感というか、感情の高まりというグルーブ感は
前回の映画よりは、落ちているかもしれない。

ある意味では、深さよりは広さを選択した感じと言うか。


でもね、
個人的には何より、5年ぶりに湾岸署の面々が、帰って来てくれた事が
何よりうれしかったりするのだ。

しかも、今回の映画では、彼ら一人一人に少しずつスポットライトを当てる
事で、この5年間で彼ら一人一人がどう変わって、またどこが変わっていな
いのか、映画を見ているうちにちゃんと伝わってくるというか。

前回の映画までって、群像劇と言われながらも、やっぱり主役の青島刑事
にみんな感情移入していたと思うんだけど、今回は皆が主役と言うか、
感情移入する範囲が広がっていったというか。

湾岸署のみんなは今でも皆元気です、という感じが伝わってくるのが素直に
うれしかったり。

青島君はいまでも調子いいし、すみれさんも元気だし、雪乃さんは今では
女青島と言われる位頑張っているらしいし、甲本雅裕と遠山俊也演じる元
制服警官は、今では念願の刑事になれたらしいし、キャリアでボンボンの
真下は出世した今でも雪乃さんの事を思いながら、情けなかったりするし。
スリーアミーゴスもいつものまんまだし。
元交通課の圭子ちゃんにまでちゃんとエピソードを用意しているあたりが
スゴイと言うかなんというか。

なんか今回の映画が終わった後も彼らはあの世界で頑張っているんだろう
なあ、と思えるような作りになっている。
なんつうのかな、脚本、演出、キャストを含めて、皆があの世界を大事に
愛しているし、それぞれに思い入れがあるんだなあ、と言うのが、素直に
伝わってくるのだ。


で、今回の映画のストーリーに関してはあえてここでは触れない。
やっぱり楽しみにしている人も多いだろうし。
素直に映画を見に行って楽しんでほしいと思うし。

ただ一つ、個人的に思った事を書けば、この映画はもちろん青島俊作が
主役なんだけど、それに増すように、今回は室井管理官と、恩田すみれが
影の主役であると思う。

特に今回は青島君とすみれさんの微妙な関係に、よりスポットライトが
集まっている感じかもしれない。


後は、チョイ役ながら個人的には豪華な出演者たちに注目というか。
TVシリーズでも出てきたけど、一世風靡セピアつながりの小木茂光が、
刑事課長として室井と絡んだりとか、前作にもあった和久さんと吉田
副総監の友情が押さえられていたりとか。

警視庁捜査一課に佐々木蔵之介や、小須田康人がいたりとか。
残念ながら筧利夫演じる新城とは、直接的な絡みはないんだけど。
その他にも池田成志がちょっとだけ出ているけどいい味出していたり。

犯人役でナイナイの岡村さん、ジョビジョバのマギー、山下裕子(再犯)が
いたり、小西真奈美がかわいかったりとか。
真矢みきも、今回はアウェイの憎まれ役だけど、やっぱり存在感あったし。
舞台関係で好きな役者さんが結構目白押しなのがちょっとうれしかったのだ。

筧利夫演じる新城補佐官は、今回あまり出番はないんだけど、かつての
ライバル室井管理官をちゃんと信頼している演技があったりして、些細な
シーンも見逃せない感じだったかも。


うん、2時間分ちゃんと楽しませてもらいました。

あ、でも最後にあえて一言苦言を言えば、予告篇でネタばらしすぎ。
あそこまでばらさなければもっと素直に感情移入できたのに、と思う部分が
あったので、それだけがちょっと残念だったかも。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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