パラダイムチェンジ

2003年03月26日(水) 花粉症対策

以下の話は、明白なエビデンスに基づく話ではなく、あくまで私個人の
体験を基にした一種の仮説である。

たまにははりきゅう師らしく、真面目に?健康や身体について考えて
みたいと思う。
今回取り上げるのは、花粉症である。

最近は電車に乗っていても、マスクをつけている人も結構あたりまえに
見るような季節になった。
かくいう私も、花粉症持ち。

2月あたりから、だんだんもぞもぞと、花粉のありかを鼻や目の粘膜が
感じるようになっている。
せっかくだから、この潤んだ瞳で、だれか恋に落ちないかなあ、なんて
アホらしいことも考えられるくらい、この時期の瞳は潤んでいる。
でも基本的に、生活に困るほどではなかったりする。

私自身が初めて花粉症の症状を自覚したのは、今から3年前。
仕事の勉強会で、3日間くらい連続して講習会に参加していたときの
3日目だった。

3日目だけ、場所が違っていて、横須賀の病院だったんだけど、
とりあえず最寄り駅に降りた段階で、もう空気が黄色いのが見てとれる。
つまりは花粉が舞っているのだ。
あー、これはさすがにやばいかも、と思ったら案の定発症してしまった。


さて、花粉症。
なんで花粉症になるのか、とかどんな治療法があるのか、とかはたまた
どんな食品がいいのか、なんて話は、結構情報として巷にあふれているし
TVの健康情報バラエティ番組や、夕方のニュースなんかでも取り上げられ
ている。

最近聞いた話だと、甜茶は結構いいらしいし、ヨーグルト、ナツメ、
そして鹿児島産の純度100%の葛、なんてのもいいらしい。
でもこれら全てを食べたからって、症状が治まるかどうかは、
わからない。

一体、なんでそんなことになるのか、ここではあくまではりきゅう師の
立場で花粉症対策を考えてみたいと思う。


さて、まずは簡単に?花粉症が起こるわけを考えてみよう。
元々人の身体には、免疫系といって、外から入ってくる異物を排除しよう
する機能が存在している。

免疫系にも色々なレベルが存在していて、各々機能は違うんだけど、
この中に特定の抗原に対して反応する、抗体というものがあり、イメージ
としては、ミサイルなんかに例えられることが多い。

で、この抗体は何にでも反応するわけではなく、特定の物質のみを攻撃
する仕組みになっているんだけど、なぜかスギ花粉が特定の細胞(肥満
細胞)にとりついてしまうと、抗体が攻撃をかけてしまい、結果として
鼻水やら、涙やらを出すように刺激をしてしまう物質(ヒスタミン)を
出してしまう。

その結果として、頭はぼーっとするし、涙は止まらないし、鼻水も出る
というアレルギー反応をおこしてしまうのが、花粉症と呼ばれるものの
正体らしい。

だから、元々は身体の中の防衛反応なので、花粉症に対する、根本的な
治療というのは行いにくく、考えられる手段としては、アレルギーを起こ
す原因、すなわち花粉になるべく会わない様な生活をするか、もしくは
身体の中に花粉が入ってきたときに、いかに過剰反応をしないように
するか、という対策法になるわけだ。

減感作療法や、レーザーメスによる、鼻の粘膜を削る、なんてのも
後者の対策法に含まれるんじゃないかな、と思うし、薬を飲むのも
基本的には感受性を抑えようとしているみたいである。

さて、それでははりきゅう師としては、どんな風に花粉症に立ち向かう
のか。
個人的に対策法として考えられるのは、花粉症の症状をより悪化させる
素因をなるべく排除する、という方法である。

花粉症に自分がなってみてわかるのは、必ずしも飛んでいる花粉の量だけ
で、症状の重さが変わるわけではないかもしれない、ということだ。
どういうことかといえば、その日その日の体調や、またはその人の体質に
よって、出てくる症状には違いがあるということ。
これは、自分の患者さんで、花粉症の人を見ていてもそう思う。

例えば、
・冷え性である。

・消火器系の調子がいまいちである(自分の舌をみると、白や黄色の
 舌苔があるか、舌の横に歯のあと(歯痕)がある。)

・左右の背中の筋肉のなかで、どこか特定のいつも凝っている場所がある
 (例えば、肝臓やすい臓の真裏にあたる場所など)

・足がつりやすい

・首や肩、特に肩甲骨の間の筋肉が凝りやすい。

・肘の内側に、押されると痛い場所がある。

・普段から疲れやすい

・便秘しやすい

なんていう自覚症状があって、花粉症に悩まされている人がいたら、
まずはその自覚症状を取り去ることをおすすめする。
なぜなら、これらの症状は花粉症の症状を悪化させる要因となるものの
サインだから。
なんでそんなことが言えるのか、というと、自分自身が花粉症の症状に
悩まされているときは、大体こういう症状を伴うことが多いからである。

逆に言うと、あくまで自分の場合はであるが、花粉症の症状がひどい時
これらの症状を取り去ってしまえば、花粉症の症状は、少なくとも我慢
できるレベルに抑えることができるのだ。


では、なぜそうなのか。
人の身体には元々、よく自然治癒力と呼ばれる、自己調整能力が備わって
いると、東洋医学的には考えられている。

ここでちょっとだけ飛躍すると、つまりは血液の循環をよくしていれば、
身体に取り込んだ、異物も段々と無害化して排泄する機能が伴っている
と考えているわけだ。
それは、例えば花粉であっても、実は変わらない。

で、元々人間にはそんな機能が備わっているんだけど、それが現代人の
場合、上手く働かないのは、その自然治癒力が機能的に働こうとするのを
阻害する因子があるからだと考えられるからである。

例えば、肩こりや便秘がなんで花粉症と関係あるのさ?という質問は
当然出てくると思うんだけど、その辺を説明するには更なる行数がいる
ので、それはまた別の機会に。

ただ、人にはそれぞれ固有の体質というものが存在していて、例えば
さっきの例、全てが当てはまる人って言うのは稀だと思う。
おそらくはいくつかだけ、当てはまったりするんじゃないかな。

で、その固有の体質には、その人にとってのトラブルが起こりやすいと
いうか、身体の変調を訴えるサインみたいなものがある。
その一部が、先ほどあげた例であるわけだ。

で、東洋医学は、そうしたその人の身体に出てきた症状で、その人の
体質を判断し、その体質にあった治療法を行っているわけである。
それは、はり・きゅうのみならず、漢方薬などでも基本は同じ。

また、医食同源なんて話も時々聞くとは思うけど、食べ物も体質と
大きな関係があったりする。
例えば、自分の場合、消化器系にトラブルが起こりやすい体質なので、
この時期、ヨーグルトを食べ、肉食を抑えるだけでも、実は花粉症に
対して効果があったりする。
ただし、自分の体質にとって、甜茶やナツメが効果あるかは、試して
みないとわからない。

そんな風にして、自分の身体に現れるサインを目安として、自分の体質に
あった治療法を加えていくと、花粉症の症状は結構抑えられている様な
気がする。

で、ここで極論してしまうと、花粉症の症状って、完全に症状を取り去る
ことはできなかったとしても、実は自分の健康度をはかるバロメーター
として付き合っていくこともできるんじゃないかな、って気もするのだ。
もちろん、こんな事を言ってしまうと、花粉症のひどい症状に悩まされて
いる人からは、非難の嵐だと思うのだけれど。

自分の友達は漢方医院で、自分の体質に合った煎じ薬を飲むことで抑えて
いるみたいだし、その方法は、色々あると思うのだ。
もちろん当院でも、花粉症対策の治療法はできるんだけど、いかんせん
保険外治療なので、治療費はかかってしまう。

一回あたり5千円の治療費が惜しくないと思える人がいらっしゃいました
ら、よろしければご相談にのります。<宣伝?


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