貴乃花が引退して、大相撲が危機であるという意見がある。
若貴ブームの後、次の人気力士が生まれず、また力士の怪我に より欠場が多いのが原因で、最近は満員御礼の札がかかることも 稀だとか。
新弟子検査に来る希望者が激減しているので、親方衆が必死になって スカウトをしているとか。 大相撲の今後がどうなってしまうのか、大変な心配をされているらしい。
うーん、でも個人的に日本相撲協会や、大相撲がなくなってしまうとは 思えないのだが。 何故なら、そこにはちゃんと固定したファンがいると思うから。
今人気が凋落したように見えるのは、ただ単に若貴ブームからの 相撲バブルがなくなった、というだけだろう。
例えるのなら、プロレス。 私が子供の頃、プロレスといえば全日本と新日本だった。
その後、UWFが出来たり、つぶれたり、分裂したりしている内に、 あまりにも多くのプロレス団体が出来てしまい、この先プロレスは なくなってしまうのではないか、なんて意見が聞かれた事もあった。
でも、現実としては離合集散は起こっても、プロレスという ジャンルはちゃんと残っているし、ファンもついている。
もちろん、例えば新日本とかの大きな団体にしたって一時の人気に 比べれば経営的に全然苦しくない、なんて事はないと思うけど、 それでもちゃんと団体は存在しているし、興行も出来ている。
全日本プロレスなんて、ノア旗揚げの後は絶対なくなると思ったが、 ちゃんと今でも残っているし。
それでは何故プロレスは今も残っているのか。 答えは簡単。ファンが、残したいと思い興行に通ってくれるから。 そして、ギャラが安くてもプロレスで食べていきたいと思う選手達が いるからだろう。 すなわち、続けていこうという意志が働く限り、一度動いた歯車が、 いきなり消え去ることはないのだ。
今後経営的に苦しくなる相撲部屋も出てくるとは思うけど、それは 何も相撲に限った話ではない。 競馬で内国産馬を育成している牧場の経営が厳しいという話や、 各種社会人スポーツだって、軒並み閉鎖しているなんて話が、 最近ではそんなにめずらしくなくなってしまった。
だから今後も大相撲は続いていくと思う。 病院で働いていると、午後の大相撲中継をどれだけ多くの人が 楽しみにしているのか、よくわかるのだ。
彼らのように相撲を楽しみにしている人達がいて、そして相撲を愛して 運営している人達がいれば、例えどんなに規模が小さくなったとしても 大相撲というジャンルがなくなることはないだろう。 この項、もう一日続きます。
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