パラダイムチェンジ

2002年06月18日(火) 勝敗のあや

成長し続けたチームが勝ち上がることができる、
昨日の日記の通りのしぶとい闘いを繰り広げたのは日本ではなく
韓国だった。
昨日の韓国は本当にすごい闘いを繰り広げていた。
天の運、地の利、人の智の全てが、韓国に味方をしたような試合
だった。

一番すごいと思ったのは、延長戦、韓国がフリーキックを蹴るとき、
ゴールネットからのカメラが揺れていたことだ。
もちろん、誰かが揺らすはずもなく、おそらくは韓国サポーターの
声援と、応援が、ゴールさえも揺らしてしまったのであろう。
おそらくはピッチ上も揺れていたはずだ。

会場を見渡せば、全てが赤。
韓国は本当のHOMEという地の利が味方していた。
会場だけでなく、韓国全土の声援が、韓国チームに不利に
働くわけはなく、試合が終わりに近づくにつれ、追いつめられて
いったのは、イタリアチームの方だった。

そして人の智。
監督のヒディングは、本当に効果的な選手交代の妙を見せてくれた。
後半になって、DFをなんと2名減らし、その分FWを厚くした。
その結果、イタリアと韓国はノーガードの闘いとなり、攻められる
機会も増えたが、その分攻め込んだときには何重もの攻撃陣となった。
これだけは、トルシエがどんなにいい監督であったとしても、
残念ながら、かなわない部分であったかもしれない。

彼らは決してあきらめなかった。どんな形であれ、たとえ孤立した
形でも、ゴールに持ち込もうとした。
そんな韓国のチームに天、という、東洋独特の神様が微笑んでも、
不思議はなかったのかもしれない。
韓国は、同じくベスト8に進出したアメリカと引き分け、
本気のポルトガルとイタリアを下した。

韓国で闘い続ける限り、次のスペイン戦もあるいはもしや、と
思わせるほどのチームになっていた。


そして、日本。
日本は残念ながら、決勝トーナメントから姿を消した。
残念ながら、日本は1チャンスをものにすることはできなかった。
日本代表は、試合の中盤を抑えることはできたが、最終ラインを
決定的に食い破ることはできなかった。

トルコは、日本に得意の攻撃をさせないように細心の注意を払って
いたのだと思う。
トルコは切れやすいといわれていたが、日本は残念ながら彼らを
切れさせるところまで追いつめることが出来ず、
逆に日本の長所を消されてしまった。

後半は再三、サイドからボールを持ち込もうとしたが、小野は完全に
抑えられ、途中から投入した市川も今回はパスの供給源には
ならなかった。

もしも、森島が後半早々から投入されていれば、もう少しDF陣を
かき回すことが出来たのかもしれない。
トルシエも、初めての決勝トーナメント進出で、もしかすると
一番あがっていたのは、彼だったのかもしれない。

どんな形でも、敗戦は敗戦である。
今回の日本代表の4年間の闘いは終わってしまった。
でも、彼らの戦いは今後も私たちの語り草となるだろう。
今回、一番口惜しかったのは、誰でもない彼らたちで、でも
その口惜しさを知るがゆえに彼らは今後も伸び続けてくれるかも
しれない。

ありがとう、そしておつかれさまでした。


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