今回は実況中継風。 日曜日の日本VSロシア戦は、すし詰め状態の興奮の中にいました。 新宿のアイリッシュパブで見てたんですね。
よくわからない人のために説明すると、 ビール片手に立ち飲みでもいいから、モニターで見える サッカーをつまみにして盛り上がる場所のことです。
パブといえば、イギリスでは本来は昼の11時からしか 開いてはいけないという法律があるのに、今回は時差との 関係で試合が午前中になってしまうために、特別に朝から 開くところも出てきたという話。
なんでそんな所で見たかったかというと、せっかくのお祭りは みんなで騒げるところで観たいじゃないですか。 実は、イングランドVSアルゼンチンのときも見たかったんだけど その時はあまりの混雑振りに途中から入るのをためらっちゃった もので。
と、いうわけで今回は用心の意味も含めて試合開始1時間前に 行ってみると、すでに中は結構混んでる状態。 しかもすでにヒートしてる様子。
一回外に出ることも考えたんだけど、出た場合にスペースが なくなってしまうことを考えて、そのまま待つことに。 って事は3時間近く立ち続けることになるのか、俺。
とりあえず、なんかあった時のために入り口付近の壁際で、 普段はキャッシャー、今回はラガー売り場のそばに場所を 確保。 ここからだと、自分の背が高いせいもあるけど、 モニターもよく見える。 本来だったら、店の中まで飲み物を買いに行きたい所だけど、 そこまでの身動きはすでに取れそうもない感じ。
ラガーは一杯800円。ワールドカップ価格のような気もするが とりあえず一杯飲んでおちつく。 パブの中は、やはり日本人が圧倒的に多いんだけど、結構 外国人も多い。関係ないが外国人って言い方はそんなに好きでは ないんだが。 そして自分が立っている入り口付近は外国人が多い。 やっぱり今回は日本人が主役だって事で遠慮してるんだろうか? 早速2、3人のアイルランド人とあいさつ。仲がよくなる。 本来はいけないことだがプリングルスのおすそ分けをもらう♪
そして試合開始。 外国人、日本人関係無しに盛り上げる。 やっぱり若い人たちが中心に盛り上げてる感じ。 試合前に「♪北方領土がほし〜い。ほし〜い♪」とか歌ってるし。
んでパブ内は益々人が増えてくる。 もうすでに超満員の通勤電車状態。 でも、他人に体重を預けたりはしない、最低限のスペースは 確保している状態。 背の小さい女の子とかはもしかすると画面は見えてなかったかも。
本来、朝の満員状態の通勤電車は大嫌いなんだが、今回そんなに 気にならなかったのはどうしてだろう? みんなの意識がモニターに集中してたからなのか、それとも 日本人はこの状態に慣らされているのか? よく皆暴れださなかったなあ、と振り返ってそう思う。 まあ、それだけサッカーにフラストレーションを溜めないだけの 魅力があったって事なのかも。
試合が進むにつれて、会場は一体になる。 もう、全員で歌を歌うわ、ブーイングするわ、シュート外すと 頭抱えるわ。
その脇で外人相手にはラガーがよく売れる売れる。 カウンター脇にいることもあって、お客さんの頭上をラガーと キャッシュを運ぶのをアシスト。
モニターの大きさと距離の関係、そして実況がほとんど聞こえない せいもあって、誰が誰なのか、混乱した状況ではよくわからない。 リプレイになって、誰だったかわかる程度。
そんな中、楢崎は好セーブ連発。隣の外人も、あれはなんて 選手だい?とか聞いてくる。
全体的な印象で言えば、ロシアはちょっとスピードが足りない ような気がした。 後で振り返ってみてみると、それだけ日本のDFがしっかり機能 していたって事なんだろうけど。
そして後半早々、稲本が得点! 会場にいた全員が手を挙げハイタッチ。そして大合唱。 稲本は本当に何でそこにいたの?って言うくらいの大活躍。 そして柳沢も落ち着いて、尚かつスピードのあるアシストを よくぞしたって感じ。
後半は、ロシアが押せ押せペース。 その脇でやっぱり外人相手にはラガーが飛ぶように売れる。 受け渡しのアシストをしていたら、カウンターのお兄さんから ラガー5/8杯くらいのプレゼント。手伝ったご褒美らしい。
終盤になってくると、外人が歌を歌いだす。 興奮してきたのか、じれてきたのか、わからないけど、 皆もう勝手に大合唱大会。
そして記念的日本初勝利! その瞬間から会場の雰囲気は歓喜の熱狂レッドゾーン。 会場で一緒に見ていた友達と、早めに会場を出る。 後ろにいた外人たちとハイタッチのあいさつ。 多分、ほほえましいとか思われてたんだろうなあ。
会場を出ると、試合が終わったばっかりなのに、意外に ブルーに包まれたサポーターの数が多い。 って事はどこかで見てたんだろうか?
とりあえず、一息つこうと二人ともなじみの居酒屋に 行ってみると、なんとそこにもモニターが。 って事はわざわざ立ちっ放しで見なくてもよかったって事か? と、少し力が抜ける。 でも、やっぱり7時にはもう満席状態だったらしい。
居酒屋を後にして、新宿の街に出てみると、サポーターの 数が増えている。国立競技場あたりからのサポーターも合流 してる様子。 ちなみに、国立競技場では試合後10tのゴミが出たらしい…
遠くで応援の声が地鳴りのように響いている。 なんか、街全体がサポーターの街と化しているような感じ。 警官隊も路上の警備をしているけれど、正直そんなに不穏な 雰囲気は感じられなかった。 後で、TVでみてると、なんかすごい暴れ方をしていたように 見えるが、それはおそらくごく一部だろう。
この感じ、何に近いかって言うと、修学旅行の夜みたいな 雰囲気なのかも。皆興奮が収まらなくて、時々出過ぎた 奴が先生に見つかって怒られているような感じ。
新宿や渋谷に住んでいる人にははた迷惑な話でしか ないと思うが、ただ単に集団で盛り上がる事自体が サポーターの感動を再生産しているような気がした。
信号が青になると、青のサポーターたちが走りよって合流して ハイタッチ。 まるで生き物のように、合流と分裂を繰り返している。
駅に向かうと、普段は終電近くになると、切符売り場の前は すごい混雑になるはずなのに、意外なほど空いている。 でも、駅の中もサポーターの姿しか目に入らない。
確かにこれは日本にとって、歴史的な日なのかもしれない。
翌日、普段どおりに戻った街を歩いていると、 公式ジャージ売り場が目に入った。 会社帰りって事もあってか、今まで以上にお客さんが 青のジャージを眺めている気がする。
そして結構年配の人も多い気が。 もしかすると、子供に頼まれた買い物なのかもしれないけれど あるいはもしや… そんな事を考えた祭りの後だった。
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