| 2008年10月09日(木) |
081009_よーし、まちへ行こう |
札幌の道庁東側に作られる、北三条広場の第三回目の委員会が終わりました。
今日は私が考える広場のあり方をプレゼンテーションする回だったので、事前に作って送り込んであったパワーポイントファイルに基づいて説明を展開。思わず力を込めて作った全53枚でしたが、予定時間を少し超えてしまいました。
今日のキーワードは、「流れ」と「溜まり」。実は日本人には大きな広場を作ってそれを使いこなすという文化が歴史を紐解いても見あたりません。日本人にとって広い空間は歩きながら眺めるような流れる空間であることが心地よいもの。
だから商店街やお祭での夜店のように細長い道路上の空間を押すな押すなと移動するのが大好きなのです。日本人にとっての広場は道状の流れる広場が良いというお話。

しかし流れるのが好きと言いながら、その途中で溜まったりするのも大好き。巣鴨地蔵通り商店街はおばあちゃんの原宿として知られていますが、この通りはそもそもが旧中山道で、板橋宿手前のお店の連なりだったわけ。 そしてその途中に高岩寺というお地蔵さんがあってこの御利益が確かだ、というので大人気になっているのです。流れる道すがらにあって、お寺の境内で賑わいを冷やかすのも大好きなのです。

そんなわけで、流れることと溜まるという機能を支えるような建築造りをするような考え方がよいのでは、というのが今日の趣旨。旨く伝わったでしょうか。 まとめる事務局の力量に期待したいところです。
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昔は「まちへ行く」といえば、都市の中心市街地へ行くことで、そこにはワクワク感やドキドキ感がありました。
私が札幌で町へ行くときのわくわくした思い出は、札幌テレビ塔のなかにあったゲームセンター。今思えば、ボールが落ちてくるのを拾ったり、ベルトの上を走る自動車をハンドルで操作するなどと言うローテクなゲームしかなかったのですが、それをしたくてしたくてたまらなかった時期がありました。
そんな楽しみやワクワク感がいまのまちなかにあるでしょうか。
郊外にショッピングセンターができて、身の回り品の買い物は便利になった反面、楽しみ感が薄れてしまったのではないでしょうか。
まちなかだけにあった楽しみと意外性を自分たちに引き寄せて、楽しみの度合いを下げてしまったのです。
まちの中だけにしかない、ワクワク感やドキドキ感、ここにしかない希少価値などをまちなかにもう一度作ることが出来るでしょうか。
そのことをもう一度考えて実行出来れば、再びまちなかの価値は上がります。新たな投資は価値を上げるように使われなくては行けません。
まちなかの価値を上げるような提案と活動、そして市民全体がそうだ、と思う気持ちが大切です。
よし、まちへ行こう! それを聞いた子供達が「わーい!やったー!」と言う日がまたくるでしょうか。
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