| 2008年07月12日(土) |
080712_早稲田シンポジウムに参加する |
早稲田大学で開かれたまちづくりシンポジウムに参加してきました。1993年以来毎年開かれているものですが、今年のテーマは「時空間を『シェア』する21世紀の都市・地域づくり」というもの。
広場の勉強をしてきたなかで、空間や土地を様々に『使い分け』することで、より活力ある社会が出来る、という持論に至った私としては、非常に興味深いテーマなのです。
早稲田大学へ来るのは久しぶりのこと、もう10年ぶりくらいでしょうか。樹木が大きくて良い雰囲気ですが、学舎の改築も進んでいるようで、活気に満ちています。
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さて、会の冒頭は早稲田大学の浅野光行先生による問題提起です。

一言で「シェアする」と言いますが、このシェアというのは実はいろいろな意味があります。ちょっと考えてみるだけで、市場占有率と言う意味でマーケットシェアなどという言い方から、ワークシェア、タイムシェア、ルームシェア、カーシェアリングまで結構多彩。しかし今回のシンポジウムの趣旨から言うと 物事を『分け合う』という意味で使う『シェア』にスポットを当てたいと思います。
朝の先生の主張は、今日の社会を見てみると結構シェアする兆しがあるのではないか、ということ。
例えば、環境問題は環境を有限な共有財産と考えて、後世とこれをシェアしようと言う考え。また都市計画行政でも、準都市計画区域などこれまでの線引きから柔軟な対応をし始めています。
土地で言うと、大きな土地を細分化して所有することをずっとやってきたのがここへきて建物をみんなで所有してみんなで使うという意味で、共同建て替えやコレクティブハウス、コーポラティブハウスなどの動きが出始めています。
交通空間ではEUが積極的な実験を行っているほか、パリではバカンスで市内に人がいなくなる一ヶ月間に、セーヌ川河畔のポンピドー高速道路を約800mにわたって高速道路を止めてカフェにしているそう。
これまでは道路は道路、公園は公園、民地は民地という縦割りの所有による区分がそのまま管理の区分になっていたのですが、すでに普段は道路なのが一定の期間に歩行者天国やオープンカフェとして公園的な利用がされ、また民地の一部が公開空地として一般に開放されるなど、がちがちの縦割りからシェア的な考え方が少しずつ増えてきています。
「シェア」という概念にますます興味が湧いてきました。
限りある資源は時間、空間を超えて使い分けをしたいものです。

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