掛川奮闘記

2008年07月06日(日) 080706_見たことのない風景三題

 昨夜は知人の家に泊めてもらって夜遅くまで話し込みました。寝たのは3時半のこと。全く何をしゃべっていたんだか…。

 今日はまた友人のSさんの車で今まで見たことのない掛川を一巡りしてきました。

 まずは掛川の北東部の高台に位置する松葉地区を訪問。ここに茶畑のすごい景色があるというのです。しかし茶畑へ行く前にまずはこの地域を見守ってくださっている松葉神社へお参りです。ご挨拶を欠かしてはなりませぬ。

  

  

 この松葉神社は文献によると主祭神はスサノオノミコトということになっていますが、大寶天王というほとんど聞いたことのない神様を祀っているという記録もあって、なんだか不思議な曰く因縁がありそうです。

 しかもこちらの神社にはお宮の前には屋根のかかった空間はあるものの賽銭箱がありません。なぜでしょう?

 その疑問を解くべく、ちょうど道普請の作業に出て休憩をしていた地元のお年寄りたちに声をかけて訊いてみました。

「こんにちは、今松葉神社へお参りしてきたんですが、こちらには賽銭箱がないと伺いましたが本当なんですね」
「ああ、そうだよ。お賽銭は子供達にあげちゃうもんで」

「それはお祭りの時だけ賽銭箱が置かれてそれで貯めたお金をばらまくと言うことですか?」
「いいや、お宮の前に屋根のかかったところがあるけーが、そこに子供達が入ってそこへお賽銭を投げるんですよ。子供達はそれを拾ってもらっちゃっていいだね。ここの神様は子供が大好きだっていうことだけんね」

「子供さんはこの地区にはたくさんいますか?」
「いや、もうこのあたりは限界集落だもんで、子供は少ないね。でも祭んときは外からたくさん来るだい。由比(静岡市)の方からは珍しいってんで、写真を撮りに来ただよ」

 やはり噂は本当で、お賽銭箱はないのでした、面白い地域文化ですね。

 それにしても地区のお年寄りの方たちから「この辺は限界集落だもんで…」という言葉を聞くというのは胸が詰まる思いでした。寂しいことですね。

    ※    ※    ※    ※

 道普請の皆さんとお別れをしてから、お目当ての茶畑へ向かいます。曲がりくねったのぼり道をどんどん上がって行くと…、おー、ここかー!

  

 ものすごい急斜面に茶畑が作られています。近くにはケーブルなどは見あたらないので、車と人力で作ったのでしょうか。とにかく大変な苦労があってのこの風景です。農業作物は先人の労苦のおかげということがよく分かりました。
 写真でその雰囲気が伝わりますかねえ。

    ※    ※    ※    ※

 昼飯を食べた後で今度は雨桜神社へ行ってみることに。こちらの神社は今日から祇園のお祭りで、今日から一週間の間、神様が三つの御輿に乗って近くの六所(ろくしょ)神社へ遊びに行かれるというのです。

 神社へ行ってみるともう御輿蔵はもぬけの殻で、もうこちらは出発をされた後でした。近くで作業をされていた氏子の方に訊いてみると「うん、ちょっと前に出て行ったよ。今頃は馬場にいるんじゃないかな」とのこと。

 『馬場』というのは六所神社近くの地名のことで、流鏑馬をする場所になっていることから馬場と呼ばれているのです。早速そちらへ駆けつけてみると、折良くちょうど馬場での神事の真っ最中でした。

 この馬場では来週の13日に、従来からの稚児流鏑馬に加えて本格的な流鏑馬をするのだそうです。見てみたいものですが…。

  

  

 神事を終えた御神輿はいよいよ六所神社へと移動するのですが、移動手段はなんと軽トラック。

「昔は雨桜神社からかついで降りてきて頂いて、ここからまた担いで六所神社へ行ったもんだが、いまじゃあ氏子も減って来ちゃったもんで仕方ないねえ…」とは一緒に見物をしていた年配の女性のつぶやきでした。

 しかしよく見てみると田んぼの中の一本道を御神輿を積んだ軽トラックが三台連なって粛々と走る様はなかなか他では見られない風景でした。珍しい!

  

 神社に着いた御神輿は、最後は氏子さんたちの手で急な階段を担がれてしずしずと上って行きます。神聖な姿には心を打たれます。

 今日も良いものを見せて頂きました。まだまだ町には知らないことが一杯です。

  


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こままさ