掛川奮闘記

2005年08月18日(木) 050818_北海道観光戦略会議

 話題は駒大苫小牧。頑張れ!

 さて今日は、
■北海道観光戦略会議を傍聴する の1本です。


【北海道観光戦略会議を傍聴する】
 今日は午後1時半から道庁赤レンガの二階で、北海道観光戦略会議が開催されたので、上司ともども参加をしてきた。

 この会議は、去る5月23日に開催された北海道観光サミットでのトップ会談の結果を受けて、官公庁、民間団体などが今後北海道観光に関連した具体的で効果的な取り組みを進めて行くために開催されるものである。

 開発局としての正式メンバーは上司なのだが、実質的な作業は今日の会議で下部組織としてとりあえず企画部会が設置され、そこで議論をされることになっているのだが、その部会には私が参加をすることになっているので、まずは親会議で誰がどのような意見を持っているかを把握しておくことは重要なのである。

 この会議の規約によると、会議の目的は「会議は、観光事業者、観光関係団体、経済関係団体、行政機関等が北海道観光の課題や今後の観光戦略について議論を深め、認識の共有を図り、広範に連携協力し、それぞれの役割を果たすことにより、効果的な施策や取り組みを進めていくことを目的とする」とされている。

 どうとでも取れるような文言にはなっているが、要は道内の有力な団体が一同に会し、さらには各組織が協力したり情報を共有しながら全体として北海道観光の魅力とパフォーマンスを上げていこうということであり、確かに大事な取り組みなのだ。

 実は少し昔にも似たような関係機関を上げて北海道観光の質を向上させようという会議があったが、そのときには国の機関は顧問扱いとされていて、一段高いところに奉られていたものだ。

 それが今回は会議の中では道庁や経済団体と同格扱いでの会議の参加であり、枠組みも変化したということである。

 人によっては、高橋知事の政治的パフォーマンスが上手で国も引き込まれたというような見方もあるかもしれないが、私としては、ここはもうそういうことは言っておられず、各行政機関や各団体が縦割りの制度や縦の系列の枠組みの延長で北海道を捉えるのではなく、先に北海道という現場があることを前提として、そこを各団体がどのように知恵と力を持ち寄って盛り上げるか、ということを議論しなくてはならない段階に来たのだと解釈すべきのように思える。

 北海道の観光を自治体行政の問題と解釈するか、国として北海道をどういう地域にするかという六期計画の中の観光に関する表現の実現と解釈するか、という見方の違いかも知れないが、国、特に北海道開発局としても決して他人事ではないはずだ。

 そしてそれは会議の形ではなく、実質的な実効性がどれくらい発揮されるのかが問題なのだと思うのだ。

    ※    ※    ※    ※

 さて、この会議は会長を北海道経済連合会(道経連)の南山会長が務め、事務局を道経連と道庁が共同で担うということになっている。ある意味では事務局の手綱さばきも試されるというところだろうが、事務局にばかり文句を言っても始まらない。

 会議の求心力が問題なのだ。

 会議は会長挨拶で始まったが、南山会長の問題意識は、「北海道の観光地としての相対的地位が下がってきているという印象だ。観光客の目が肥え、ニーズの多様化に地域としてついて来れていないのではないか。自然、食材、温泉などの素材提供観光が限界に来ているのではないか。」ということであった。

 そのうえで「非日常空間の提供、ホスピタリティの世界標準の担保、情報発信体制などが必要で、誰が何をしてゆくのかを具体的に語る場にしたい」という発言があった。

 その後はまず事務局から話題提供的に北海道観光の現状と課題についてのプレゼンテーションが行われた。

 提出された資料によると、観光客入れ込みのここ数年間の推移では、平成11年に年間5150万人だった入れ込み数が、平成12年に有珠山が噴火したときに約6%減の4860万人に落ち込み、平成13年度には反動で5040万人に盛り返したものの、それから以降は年約2%ずつの減少傾向にある。

 そういう暗い状況のなかで外国人来道者だけは平成11年に20万人だったのが、この5年で約2倍の43万人に伸びている。内訳で一番多いのが台湾からの観光客で、約半分を占め、次が香港、韓国、オーストラリア、中国という順になっている。

 最近話題のオーストラリアからはまだ1.5万人足らずだが、その伸びは大きく、ニセコを中心に期待がふくらんでいるところだ。

 プレゼンの後に出席委員からの発言があり、まずは旭山動物園で名を上げている菅原旭川市長から旭山動物園について、「平成8年にはエキノコックスで動物が死ぬなどして年間26万人にまで入園者が減ったが、平成9年の開園30年目リニューアル以来徐々に来園者が増加し、昨年は145万人、今年も8月16日で100万人を突破した。いつまでもこの人気が続くとは思っていないが、できるだけ高値安定を目指したい」ということだった。

 また次にこの度知床が世界自然遺産に認定されるにあたって力を尽くした、牛来(ごらい)斜里町長からは、「せっかく世界自然遺産に登録されたが、人間と自然との接し方が乱れている。野生動物の怖さを知ることや、観光客のマナー、知床ルールが必要だ。我々も声を上げているが、行政の反応は極めて鈍く、すぐにでもできそうなことでも時間が掛かっている」という嘆き節だった。

 さらには「道路や港をつくるのに『美しさ』が欠けている。電線、電柱も埋設が出来ないでいるが、電力会社のせいにせずに、国として対応して欲しいと願っているし、北海道をもっと美しくするよう取り組みたい」ということであった。

 あとは各団体からのそれなりの取り組み報告が多かったのだが、ある団体の代表から、「この手の会議は似たようなものがいくつもあるように思うが、この会議はどういう役割なのか教えて欲しい」という手厳しい意見が出された。

 事務局から「観光サミットの結論を踏まえて、トータルで議論できる場が必要ということだ」と答えると、
 「戦略を決定する場なのか?そしてその後は各団体がやって行くということか?」

 「戦略を共有し、行動の際のベクトルを合わせて行くことを目標とするものだ」という、やや丁々発止のやりとりもあった。

 この発言者は返す刀で「道内の一体性が見えないと言うことだが、四国だって九州だって、県がいくつもあるのに一体でやれている。そもそも道観連は何をしているのか!?長期的なビジョンをもつよう改革して行くことも必要なのではないか」という手厳しい意見を述べていた。まあ、皆思いは同じなのだろうけれど。

 その後も様々な意見はあったが、他人の土俵へは踏み込まないのが暗黙のルールのようで、それ以上の議論にはなかなかならないようだ。

 最後に道庁の参事が総括するように「この会議の意義に対するご指摘は重要だと思います。誰が責任を持ってやるかという視点が欠けていたけれど、一つでも二つでやれることをやっていきたい」と発言してほぼ今日は落ち着いた感じ。

 一つ二つのことをやればよいというための会議なのかな、とも思うけれど、それもこれからの運営に掛かっているのだろう。

    ※    ※    ※    ※

 会場で知人の女性が傍聴に来ていたので感想を求めたところ、「他の会合に比べて一番異様に感じるのは、観光の主役である女性が一人もいないことね」と言って皮肉っぽく微笑んだ。

 なるほど、代表者会議となるとどうしてもそうなってしまうのだな。せめてワーキングでは女性に参画して欲しいものだが、今の部会のメンバー構成案を見るとこれまた女性は一人もいないと来ている。

 うーむ、少し先が思いやられるのかも知れないな。

 世の中は「意志と能力と資格」というのが私の持論。やれるはずの、やってくれなくちゃ困るだけの資格を持っている立場の人が強い意志を持って、能力を最大限に発揮できなくては物事は進まない。

 そういうプラットホームになるかどうかなのだが。{/hiyo_do/}
 

 

  


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