| 2004年11月27日(土) |
041127_20世紀少年 |
札幌は雪が降ったりやんだりです。明日は弟の結婚式。天気が良いといいがなあ。
さて、今日は ■スローライフの質問に答える ■家族の休日 の2本です。
【スローライフの質問に答える】 スローライフという社会への問いかけに対して、そろそろ社会的な認知もあがってきたことがあって、結構掛川のまちづくりやNPO法人スローライフ掛川の活動に対する問い合わせが増えてきている。
先日もある女子大生の方から下記のようなメールをいただいた。自治体やマスコミ関係者であれば、淡々と語ればよいと思うのだが、学生さんがそれも卒論でスローライフを取り上げるのに、現地を見もしんに(見もせずに)勉強したつもりになると言うのもどうかな、という思ったので私から回答をさせてもらうことにした。
************(以下届いたメール:一部伏字)************ はじめまして。〇〇大学△△学部◇◇学科4年の◎◎と申します。突然のメール失礼いたします。現在、私は卒業論文に取り組んでいるのですが、「スローライフ」をテーマにして論文を仕上げようと調査しております。近年、スローというキーワードが現代社会において広まってきていますが。その動きを社会的に論じようと考えています。そこで、実際にスローライフをキーワードにしたNPO法人で活動していらっしゃる方にお話を伺いたいと思い、メールいたしました。お忙しいとは存じますが、よろしければ返信宜しくお願いいたします。 > > 質問1 > スローライフをテーマにしたNPO法人を設立したことによる周囲の反応はどうですか?これからスローライフに関心を持つ人は増えていきそうですか? > > 質問2 > 「スロー」にはどのような価値があると思いますか? > > 質問3 > スローライフに関心を持つ人に特徴的なことは何ですか?(年齢、性別、職業など) ************(以上、届いたメール)************
さて、そこで私からの回答は以下のとおりとなりました。皆さんはどのように感じられるでしょうか。
************(以下差し上げたメール)************
はじめまして、私はNPO法人スローライフ掛川の顧問をしております、小松正明と申します。
スローライフに関心をもたれて、卒論のテーマにされたいということで、ご苦労様です。 私たちにNPO法人へも最近このようなご質問や問い合わせが多く、関心の高まりを感じているところです。
さて、そこであなた様からの三つのご質問ですが、当方としてはこれらのご質問にメールで回答をお返しすることは実に簡単なことですが、関心の度合いによっては、お返しをする返答の質が違ってきます。
私たちからの回答で、「スローライフをやっている人たちはこんなことを考えていて、こんなことを感じているようです」というレポートを書かれることも簡単かもしれません。
しかしまことに老婆心ながら、学生さんというお立場であれば、我々仕事を持ちながら活動を続けているスタッフよりも少しはお時間があるように思いますので、当掛川市をぜひ一度、いや何度も訪れて、そこの町を実際にその目でご覧になり、また、スローライフをキーワードとして少しでも良い町にしようと努力を重ねている多くの市民に会っていただきたいと思うのです。 まだまだスローライフというキーワードでまちづくりをしている自治体は多くはありません。そういう観点では「静岡県掛川市」という条件や、「日本で最初の生涯学習年宣言の町」、「二宮金次郎ゆかりの報徳精神の息づく町」、「カリスマ市長のリーダーシップ」など、当地ならではの条件があって、はじめて自治体レベルではじめたスローライフ活動であり、またそこならではの「スローライフの普及啓発」を目的としたNPO 法人の誕生、ということなのだと思うのです。
答えは、我々からの【文字による回答】のなかにはないのではないでしょうか。
実は私たち自身にも統一的な回答はないのです。あるとすれば、私個人の感じるままの言葉でしかありません。
あなた様が卒論を書く上で対象とされる事象に一度も触れずに考えをまとめることが本当にできるのでしょうか? 一生に一度の卒論をお書きになる上で、たった一日でもこの掛川を訪れていただき、一生懸命先も分からないままに活動を続けている人たちにあなた様自身の言葉で質問をぶつけ、そのさまざまなる回答からあなた様自身が答えをみつけるお時間は本当にありませんか?
これは【真の】大人の遊びだと思っています。だれもこれでお金を儲けようなどと思っていないからです。また、テストと違って教師が正解を用意している事柄でもありません。
だれもが答えが分からないままに、トライアルを繰り返してそのなかからたった一粒の砂金をみつけて喜んでいる日々なのです。
たかが卒論、文章が原稿用紙100枚も書ければそれで卒業はできるのかも知れません。しかしそれではあまりにももったいない、と思います。 卒論は仮にもあなたのお考えを社会に還元して、世間になにがしかの貢献をするということのように思います。
もしかしたら一生を変えるだけの出会いに満ち満ちているかもしれませんよ。
さて、ここまで私の勝手な思いを述べましたので、ここから先は再びあなた様からのお返事を待つことにしたいと思います。
「どうでもよいので、質問にだけ答えて欲しい」ということもあるでしょうし、「では掛川の地と人を訪ねたい」ということであれば、また対応を考えることにしたいと思います。 実際、こういうことで当地をお訪ねいただき、レンタサイクルに乗ったり、スタッフと一緒にお酒を飲んだりしてくれる学生さんもそれなりにいらっしゃいますので、対応は珍しいことではありませんよ。
紋切り型にお答えをしないことが、老婆心ながら、私たちの誠意のつもりでもあるのです。
では 次の機会まで
ご意見等はproject@slowlife.info までいただけると幸いです。
NPO法人スローライフ掛川 顧問 小松正明
************(以上、返信したメール)************
いやみに取られてもいけないし、失礼な学生だ、と思うこともない。ただこうしてせっかく縁ができそうなのに、その一歩を踏み出してもらえないのは残念である。 一度や二度、実際に現場を訪れてその空気を吸いながら、多くの人と出会うことを通じて目的に到達するというのが、学生と言う立場に許されている特権のようなものなのではないだろうか。
それならば是非、今回興味を持った対象についてはその目、その耳、皮膚の五感を通じて感じ取ってもらいたいものである。
もっとも、学生さんからのメールを読んだある大学の先生からは「これって指導教官の怠慢じゃないですかねえ…」と暖かくも厳しい意見があったが、まあ一度や二度は自分を振り返る機会を差し上げても良いと思うのだ。
こういう形で返事を書いて、どういう反応が返ってくるかが案外人生の分かれ目かもしれないね。要するに「出会い」とはこういうところに転がっていて、それを拾うか拾わないかで人生が変わるかもしれないということ。
これで掛川に来ればたいしたものだがなあ。
【家族の休日】 …というわけで、一日家族と買い物やら食事やらでのんびり過ごしております。家に浦沢直樹氏の「20世紀少年」という漫画があって、ぼんやり読み始めたらもう止まらなくなり、16巻まで一気に読んでしまった。
もう漫画なんかそれほど読みたくもないようになっていたのだが、浦沢直樹さんの漫画は別格。以前に手塚治虫の鉄腕アトムから「史上最強のロボット」をテーマにして再構築した「PLUTO」をご紹介したこともあるが、この人の漫画は実に良くできている。
特に「20世紀少年」は、1958年生まれの私の世代にとっては涙が出るような懐かしさと、その懐かしさを求めることの怖さみたいなものが相まって、不思議な浦沢ワールドを展開している。
内容は、1970年前後の子供たちの日常生活に端を発し、20世紀の終わり、そして2014年以降の未来とが何人もの登場人物の通じて繋がり、幼い頃の発想がそのまま現実のものになると言う謎が謎を呼ぶ展開となる。
ジャンルとして自ら「本格科学冒険漫画」という表現もいい得て妙であるし、ヨーロッパ最大のアングレーブ国際漫画祭最優秀長編賞を受賞したともあった。
英語では日本の漫画を「Graphic novel」と言うらしい。確かに文字で書ききれない行間をコマ割や絵で表現するジャンルはもはや一つの芸術分野に近い。
「20世紀少年」は現在17巻まで出ているがまだ完結していない。続きが読みたいのだけれど、これってストーリーのもって行き方が、時代を前後させて謎を明らかにしてゆく形なので、毎週読むのではつらそうで、単行本になったところで一気に読まないと分かりづらいような気がする。
お勧めの一冊と言えるでしょう。お時間のある方はどうぞ。
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