掛川奮闘記

2004年08月06日(金) 040806_亀戸と巣鴨

【研修2日目 〜亀戸サンストリート】
 今日の研修は主に現場視察。最初に亀戸のサンストリートという時計のセイコー社の工場跡地の再開発事業を見学した。

 場所はJR亀戸駅の南側約2.4haの敷地であるが、ここは再開発と言っても高層のビルによらずに低層の商業施設と広場を組み合わせた珍しい施設構成となっていて、これがまた極めて人気の高い施設になっているのだ。

 ここもプロジェクトの始めは36階建ての超高層ビル計画だったのだが、バブル崩壊によってその構想は消えた。そこで、総合プロデューサーとして有名建築家である安藤忠雄さんの双子の兄弟である北山孝雄さんに相談したのだ。

 そこで北山さんは「町の人々が何を必要としてるのか、亀戸という町の身の丈にあった開発とは何か」という発想で、超高層案と全く逆の低層商業施設を提案したのである。

 北山さんはこの店舗を「町の人々の暖炉」と位置づけたとか。そこから先は鹿島建設の仕事として、さまざまな提案がなされたのだそうだ。

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 最終的に「豊かさ」とは何かと考えて行くと、物理的なリッチさもかんがえられるが、本当に必要なものは「場所」としての空気の質のリッチさであり、様々な時間を許容しうる空間のしつらえの工夫にあると思われる…とはいただいた資料のなかの言葉である。

 しかもこの事業自体は15年計画の暫定事業であると言うからさらに驚きである。このまま永久に続くなどとは思っていないので、15年後にはまったくゼロからやり直すと言うことを前提としたまちづくりが行われているのである。

 「もし15年後にまだやれるようならば続けると言うことはあり得るのですか?」と訊いてみたところ、「それはあり得るでしょう」との答え。施設も必要なメンテナンスを行えば、持つ構造になっているとのことである。

 この地区全体は株式会社タイムクリエイトというところがテナント管理やイベントなどのマネジメント一切を行っており、年間に600ものイベントが行われているという。これは「常に何かやっている期待感」を醸成することにつながっている。

 そもそもイベントの意味は、店の客でなくても良いから賑わいを演出するために人を集める「集人」という概念から、リピーターを増やす「集ファン」、そしてその中から一定の割合がお客さんになって下さる「集客」という事につながるのだ、という考えがあるのだ。

 だから最初から「集客」だけを目指すような商売とは違って、「普段は地区の皆さんの居心地の良い場所」を目指しているのである。

 もっとも、3km圏の人口が45万人で、5km圏の人口が110万人というところだからこそとも言えるのであって、これがそのまま地方でマネの出来るものではない。

 最後にこの施設の考えとして、(時間×手間×工夫×意欲)−(いわゆる常識)という式が示された。そのままマネは出来なくても、成功するには成功の理由があって、そのなかのいくつかは普遍的な事柄のようにも思える。

 これって商売だけじゃなくて、生き方そのものでもあるのじゃないかなあ。

【巣鴨地蔵通り商店街】
 次に昼食時間とその後を巣鴨地蔵通り商店街で過ごす。ここは昭和60年に「お婆ちゃんの原宿」というコピーで紹介されて依頼、お年寄りに人気のスポットとして有名な場所である。

 ここはとげ抜き地蔵があることで知られる高岩寺の門前町としてできあがった商店街なのだが、最初の頃から最新の商店街づくりを諦めてしまって、古い昔ながらの商店街で生き残りをかけたところ。

 とげ抜き地蔵への参詣が増えて、商売も儲かっているようだ。信仰心というものの力強さが感じられた場所でありました。信仰となんでもありの猥雑さとが一体になっていないと賑やかさが少ないのですな。

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 賑わいというのはなかなか演出できないものだが、門前町の巣鴨と新しい賑わいのサンストリートの二つが観られて有意義な視察でありました。

【国交省会議】
 その後は国交省にて出向者による会議を行って情報交換。来年度要望の新規施策などを聞いて勉強になりました。知人が大勢遠方から来て会えると言うことは嬉しいものだ。

 世界が広がって、会う人間の数が増える分、個々人に会う機会はどんどん少なくなるものだ。かつては毎日会っていたような友人も、1年に1度しか会えない関係になってしまっている。

 ほんのひととき、お互いに無事で頑張っていることを確認できるだけで幸せというものだ。まさに「友あり遠方より来たる、また嬉しからずや」の心境だ。

 友達って大事よーん。 


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こままさ