掛川奮闘記

2004年04月23日(金) 040423_魔法商売

【花の会総会で講演】
 掛川花の会の総会で講演を行う。毎年この時期は総会が開かれるので、なにかとあちこちに招かれることも多い。掛川花の会は、設立が昭和32年ということなので、私よりも一歳年上というところ。歴史と伝統ある会の一つである。

 花の会の会員数は700名以上にも及んで、市内で花にまつわる様々な奉仕活動などもやっていただいているのである。今年の活動の中には、現在開会中の浜名湖花博への出展などもあり、花にまつわる活動は幅が広い。

 確か、来た当初からこの会の総会には招かれていて、もうお話をするのも三回目となった。今日も老人福祉センターの90畳の大広間一杯に会員の皆さんに集まって頂いている。

 今回は特に「合併についてお話をして下さい」という要請があったので、そのことを中心にお話をした。また花の会からは、会報に文章を寄せて欲しい、という要請があって既に「合併と接ぎ木」というタイトルで原稿をお送りしてあるのだが、その内容についても少し触れて、合併は接ぎ木のようなもので、台木と穂木の両方の良い点をつなぎ合わせて美しい花と美味しい実をつけて欲しいものです、というお話でまとめた。

 花の会であれば、同じ合併の話題でも少し身近にして話した方が分かりやすいのではないか、と考えたのでそういう振り方にしたのだ。
 大学で園芸を学んだなどと言っても、お恥ずかしい限りだがそれでも多少かじったことがあるというのは強いものだ。人間何がどこでどう役に立つかなんて分からないものである。

 拙文はいずれホームページにアップする予定ですのでまたご覧下さいな。


【市長ヒアリング】
 今日は生涯学習部全体と、教育文化課、スポーツ課のヒアリング。

 生涯学習部全体の使命と展望として部長からは「生涯学習舞台づくりから役者づくりとシナリオ演出へ」と気の利いたタイトルが提示された。課題としては、図書館、美術館、茶室、給食センター、体育館と立て続けに様々な教育関連施設が完成したことで経常経費が増大しており、効率的な施設運営が大きな課題である。

 また生涯学習も25年を経過して、行政主導ではなく市民力を大いに活用し、最小の経費と職印で最大の効果を目指す工夫が必要とも。目標達成に向けて頑張って下さい。

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 さて、教育文化課では様々な行事、イベントを抱えているが、これに対して市長からは「入場者、出席率、参加率なども十分に考えて、市民に対してどういう効果が得られたか、ということも考えるように」という指示があった。

 また、「もともと学校教育は6歳以上と言うことを前提にしていて、0〜5歳の教育は家庭の責任でうまく行う、ということも前提だったのだが、これが今は崩れているという認識に立たなくては行けない。幼から保ということのなかで、社会的に教育すると言うことを考えるように」というコメントがあった。ううむ、難しい時代である。

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 スポーツ課では体育館さんりーなの利活用が話題となった。6月にはアテネオリンピックの女子トランポリンの選考会を誘致したと言うことで、掛川が今後トランポリンのメッカとなる方向もあるだろう。

 市長からは「体育協会のネットワーク団体を強化して、スポーツ人口を増加させて欲しい」ということや「体育館を一世紀一週間人生の館と位置づけて、老人クラブに入っている人などにももっと利用してもらうような工夫と手だてを考えて欲しい」というコメントがあった。

 これからは病気になって医療費としてお金を掛けるのではなく、事前に健康作りという予防の方に自分のお金を掛けるのが考え深い生き方であるという気持ちを多くの人が持って欲しいものである。


【建築士会小笠支部総会で講話】
 この日は午前に引き続いて夕方も講演の依頼があった。午後の講演は、静岡県建築士会小笠支部の総会である。この会は正会員96名、賛助会員9名という規模で、県の建築士会に準じた活動を地域で行っているのである。

 昨年度も、数回の講習会や懇親会などを通じて情報交換を進めている。特に今年からはベンチャー60と称して「建築士としての知識・技術の伝承と社会貢献および建築の探求」を行うこととしている。名前のベンチャー60の由来がどこからきているのかが謎だが(^-^;)、立派な主旨なのでますます会が盛んになるようお祈りしています。

 さて、こちらの会では事前に「すまいと公園」ということで、私が公園屋だから少し公園についてお話をして欲しい、ということだったのだが、あまりに興味がかけ離れても困るので、少しは建築に役立つ話と言うことに気を使った。

 そこでタイトルこそ「市政の話題と公園」ということだが、まず「公園の存在効果と利用効果について」と、「公園施設の攻めと守り」、そして「公共インフラへの意志と能力」ということにしてお話を進めた。

 攻めの公園施設とは、特徴ある魅力であって、ここにしかないというものがあれば利用者はそれを求めてくる。ディズニーランドはその典型ということだ。
 一方守りの施設ということは、それがあるからということではないにしても、駐車場や綺麗なトイレなど行ったときに安心できるような備えのこととして、私が用いている単語である。

 ディズニーランドは、普通の都市公園とは対極にあるようなお金を掛けたテーマパークだが、その中ではいかにしてお客様に満足を売るかということを研究しつくした演出がふんだんに盛り込まれていて、客商売という観点から冷静に見ていると感心することばかりなのである。

 私が「魔法商売」と呼ぶ、帰る直前までディズニーの世界に埋没させてしまう工夫によって、何人もの女の子がミッキーの耳型の髪飾りをして帰りの電車に乗ることか。
 彼女たちは翌日の朝に、「なんでこんなのをして電車に乗ったんだろう」と思うまでディズニーの魔法にかかっていたのである。これが魔法商売である。

 私も一度経験があるが、レオナルド・ダ・ビンチの展覧会に行った際には、会場を暗くしてあって、最初はデッサンの小品を少しずつ見せてその素晴らしい世界に少しずつ誘い込み、やがては大きめの作品を見せて、最後に原寸大の「最後の晩餐」の模写がドドーンと出てきて、圧倒されてしまう、という演出が実に巧みであった。

 そうしてダ・ビンチワールドに完全にマインドコントロールされてしまった後で出口に様々な本が置かれたりしていると、もうふらふらと本を買ってしまうのであった。

 その時私は「中世錬金術師」という本をつい買ってしまったのだが、後から思えば「なんでこの本を買っちゃったんだろう??」ということなのだが、その瞬間は「あ、今買わなくちゃ、もう一生この本と会えないかも」と思ってしまったのだ。

 素晴らしき魔法商売。要するに順繰りに感動させるマインドコントロールの手法と言えなくもないが、良い意味でその気にさせれば満足を倍増させる効果は十分に得られるのである。さて、皆さんの建築作品の施主さんへのプレゼンテーションや地域作りにどのように行かせるでしょうか。

 …なあんてお話をしましたよ。すると日頃は何かと私の言動に厳しい目で見る建築家のOさんも、「こまっちゃん(繰り返して言うが、いつもこう呼ばれている)、今日は最高。こういう話が聞けるとはやっぱりこまっちゃんだわ」と、えらくご機嫌。へへ、喜んで頂けて幸いです。

 次はこちらが建築家の方たちのお話を聞きたいものです。



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こままさ