掛川奮闘記

2004年04月13日(火) 040413_再開発へのアドバイス

【4月の市議会全員協議会】
 議会のない月は月に一度、市議会議員と共に全員協議会を行って、意見交換を行う。

 今回の話題は、国道一号バイパスの無料時間延長社会実験の話題。総じて、渋滞が緩和されたり騒音も減ったと言うことで、掛川にとっては効果があった、ということである。

 そんなところをお話ししたところで私は中座させていただいた。再開発事業に関連して、東京からこの世界で著名なI先生が掛川を視察して下さるというので、案内をしなくては行けなかったのだ。

 それでは、これで失礼を。

【再開発の先生来掛】
 再開発事業の世界で、I先生を知らない者はいない、というくらい、著名な方だが、市長とは昔からの大の仲良しで、現在は再開発コーディネータ協会の会長もされている方である。

 10時半の新幹線で掛川に到着されて、「すぐに現場を見ましょうよ」と言って下さった。この世界は現場が全てである。駅前の東街区の駐車場に車を止めてあたりを見る。当方は私と課長と室長の三人で、周辺の状況などを説明した。

 駐車場は市が取得して地元に安く貸して駐車場を経営してもらっている、と説明すると、「良くやるねー、そういうところって少ないんだよ。それで駐車場の上がりはいくら?」

 「ここともう少し西に、ジャスコの跡地もありますが、両方の資産価値つまり、土地代が10億円で、年間6千万円の上がりがあります」
 「それじゃ、年6%で運用できていると言うことですよね。それは十分に価値のある財産じゃないのかな。平面の駐車場を立体駐車場にするとお客が来なくなるという例はいくらでもありますよ」という意見。確かにそうかも。

    ※    ※    ※    ※

 昼食をはさんで午後には、再開発事業の関係者にも集まってもらって、I先生との意見交換の場を設けた。

 冒頭市長からI先生を紹介するのに、かつてお互いが若かった頃に、掛川で会議を行って、「もしお互いに10年後に活躍していたら掛川で会いましょう」という約束をして別れたのが、「その後2回も掛川で会えた」と市長が笑わせた。

 さて再開発事業であるが、先生の見方はかなり厳しいものであった。掛川の再開発事業と言うよりも、やはり日本全体の中心市街地の問題として、コンクリートで作ってしまって20年間これを管理運営するという「重たい再開発」はもうこれからの車中心社会になった地方都市では難しいだろう、という意見なのである。

 これに対して、もし「軽い再開発」というものがあるとすれば、たとえばそれは、街中は4階までの建物に規制をして、一階は店舗かお年寄りのためのバリアフリーの住居として二階三階はオフィス、四階に地権者が住むという形で、街中に再度人が住むということを誘導するような施策を打つと言うことが考えられる、というものであった。

 「商店はいらないのですか?」という問いには、「商店は人が住むようになれば、必要なものが手にはいるくらいの商店として成立する。まずは人が住むような方向性だ。それと低く規制することで全国どこでもある駅前のビルという景観から脱却して独自性のある町並みも形成できるのではないか」ということもあった。

 また「生鮮食品の売り場が近くにないので、なお一層住むのに不便になっている」という質問に対しては、「かつて公設市場というものがあって、屋根のある空間に売り物を持ってきて朝市などをやるのだが、これで結構いろいろなものが入手できたし、施設そのものは鉄骨で屋根だけがあるようなもの近かった。コンクリートでがっちりと作ってしまうのではなく、できるだけ資本をかけずに投資がすぐに改修できて、いつでも壊して次のニーズを受け止められるようなものの方がこれからは良いのではないか」という意見であった。

 「今現在、予定地に低層の飲食店もあって結構流行っていますが…」
 「私も見ましたが、あの程度の飲食店が一番入りやすくて流行ると思います。逆に近代的ビルにするほうが辛いのではないか。今ぐらいの疲れた感じが一番受けると思いますよ」とのこと。

 聞いていた関係者からは、「昔区画整理をするために、地権者にどいてもらったけれど、十数年経っても結局ただその人たちを追い出しただけということになるのが残念だ」という意見や、「駅前を低層の住宅地にすると、暗くなってしまう。駅前が暗くて良いわけがない」といった意見も出された。

 総じて現プランの再開発は難しいのではないか、という論調であったが、議論は低調であった。まだまだ関係者からの意見を聞かなくてはならないだろうが、日本中が直面している、地方都市における中心市街活性化の難しさのまさにそのまま、という感じである。

 再開発ビルそのもの運営の可否に加えて、町並み景観やまちづくりの思想が再開発ビルで果たされるのか、という問いも出されたように思う。

 実に重たい問題だがなんとか方向性を見いだしたいものだ。


【榛村ゼミ全開】
 夜10時過ぎに市長が助役室に入ってきて、「助役さん、国土施策創発調査費が取れますか」という質問から問答になった。

 「取りに行こうと思っていますが、テーマに苦しんでいます」
 「いろいろと考えられるけれど、私が先日国土審議会で発言した、『テーマのあるまちづくり』というのが良いのではないかな」
 
 「緊急性も言われています」
 「市町村合併による地域融和の促進策として、新しい町の特色を新住民が共有するということでしょう。特色はテーマである、テーマは魅力であり誇りになりうる。それを住民が共有することで地域が自立する、というシナリオですよ」

 「かなりイメージが固まってきたような気がします。合併に向けた新市の融和策としても『テーマのあるまちづくり』が有功だし、掛川モデルを確立した上で、新掛川市にどう適用されるのか、そしてそれを全国のいくつかの市を対象にモデル的に調査を行う、というあたりでしょうかね」

 「そんなところかなあ、まだまだ歩行文化もあるし、スローライフ、報徳だって良いし、サミットも考えられるよ…」
 「うーむ、ある程度絞って行かないといけませんねえ…」

 …とまあ、こんな調子で深夜の榛村ゼミが連日開かれているのである。受講料はただで、お腹一杯問答が出来ます。

 さてさて、明日はこれをネタにして創発調査費の担当者を訪ねてみるとしますか。

 もしも取れれば名刺の「助役」の上に「大」の字を手書きで書き加えようと思うのだが、どうかな。 


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こままさ