掛川奮闘記

2004年03月08日(月) 040308_最後の都市宣言

【部課長会議】
 今日の部課長会議では、職員チームによる職員研修の成果発表会となった。職員研修は、全課の若手を無作為に抽出して、年間に五人程度のチームを二つ作り、それぞれがテーマを探してそれに対する思索を深めるという研修を行っているものである。

 今日のチームからは、寂れ掛けている駅からお城への駅通りに賑わいをもたせるにはどうしたらよいか、という課題に取り組んだ結果の発表があった。

 駅通りの物産館である「こだわりっぱ」も最近は売り上げが落ちてきていて、なかなか打開策が見つからないでいるのだが、彼らは兵庫県
篠山市での物産館を視察してきたという。篠山市の物産館は年間の売り上げが三億円くらいだそうで、現在のこだわりっぱが約1億円と言うのに比べれば三倍の売り上げである。

 ここで彼らが知った面白いやり方というのは、「登録シェフ」というもので、地元の市民が登録して日替わりで自分の得意メニューを提供するのだそうだ。店には売り上げの三割を払うことになるが、やる気と才能があれば売り上げは伸びるし、利用客には毎日違ったメニューが展開されるので飽きない、ということらしい。

 なるほど、地域の人たちのやる気を起こさせる上でも有効かも知れない。しかしよく聞くと、篠山市の物産館には広大な駐車場があるとのこと。駐車場がほとんどないいまのこだわりっぱとはそこの条件が違うかな。

 なかなか説明は歯切れが良くて好感が持てました。時間がちょっと短くて全部を説明できなかったのが残念ですな。ご苦労様でした。
 

【定例記者会見】
 基本的に月の最初の月曜日は記者クラブの皆さんを相手に、定例の記者会見を行うのである。

 ここで今回の議会で世にだそうとしている「歩行文化、スローライフ、報徳文化という三つを融合させ地域自立のための都市宣言」の原案を提示して、記者さんたちの意見を聞く。

 現在、当局側ではこの掛川市の最後の一年に当たり、これまでの実績を踏まえた実践と考え方であるべき都市像、あるべき市民像を示して世に問いたい、ということから都市宣言を出す、ということを検討しているのである。

 掛川市は、基本姿勢としてありきたりの市民憲章などは作らずに、都市宣言で目指すべき目標像を示すというやり方を行ってきたのだが、昭和54年に行った最初の都市宣言である「生涯学習都市宣言」から25年の節目の年に、およそ最後となる都市宣言を行おうというのである。

 今回の眼目は三つあって、「歩くことのススメ」、「スローライフのススメ」、そして「報徳文化のススメ」によって住みやすくなる美しい都市をめざそうというのである。

 歩くことはまだ良いとして、スローライフと報徳文化とくれば、まず他の都市で行えるような都市宣言ではないだろう。これが掛川のやり方である。

    ※    ※    ※    ※

 記者の皆さんの何人かから、「報徳と言えば、報徳思想が頭に浮かぶが、そういう思想を押しつけると言うことに問題はないのか」といった発言が出た。

 市長の言い方を総合すると、「戦後日本は偉人教育というものを捨て去ってしまい、大衆と民主主義による社会づくりを進めてきたが、やはりここは誰もが尊敬すべき偉人の姿を示して、それを範とする生き方も復活させなくてはならないのではないか」ということである。

 二宮尊徳の考え方がすごいのは、彼の報徳思想が「神儒仏正味一粒丸」と言われて、神道と儒教と仏教の良いところが混ざり合った教えであるといいながらも、儒教と仏教が権力・体制側について発展したのに対して、一農民として目の前の飢えた農民に語りかけて成功した地域作り実践哲学であるという点だという。

 確かに、ふざけたことを言えば問答無用で斬り殺されたかも知れない時代に、それでも飢え死にする農民を見かねて農村改革に飛び込んだ尊徳であり、発言だけでも勇気が要ったことは想像に難くない。
 彼の教えは現代に通じるところも大いにあって、彼の説く、「至誠」、「勤労」、「分度」、「推譲」などの精神を現代人が忘れたあたりに現代の病巣があるとも言える。

 しかしその教えを市として率先すると言うことには意見がある人も多いかも知れない。

 今回の都市宣言では「報徳思想」という言い方ではなく、「報徳文化」という形で、文化として良い側面を重視しようとしている。

 こういう形の都市宣言が行われればどういった反応が世間から返ってくるだろうか。こういて世間という水面に波紋を投げかけるようなことをし続けてきたのが掛川市であるのだ。

 「都市宣言」というのは議会の承認が必要な宣言である。最後の都市宣言が、議会側からどういう意見が出るかも興味深いところである。

【郷土新聞の記事】
 現在地元のコミュニケーション紙である「郷土新聞」の紙面上で、月に一度800文字程度のコラムを連載しているのだが、郷土新聞社の許可をもらって、私のホームページ上で紹介しても良いことになった。

 既に全12回中の7回目の連載を終えているのだが、読んで下さっている方も案外多くて、「助役さん、読んでますよ」という声があちこちからかかるようになった。

 この記事を私のホームページ担当スタッフに送って、現在アップの準備中である。近日中に掲載される予定なのでお楽しみに。

 なおこれは携帯では読めないかも知れません。悪しからず。

 


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こままさ