掛川奮闘記

2003年10月12日(日) 031012_スローライフこうち

【高知市内視察〜高知城】
 朝から高知市役所の方に、高知市内を案内して頂く。

 今日は日曜日なので、日曜市が出ていますよ、と言われたがまずはやはり高知城だろう。

 高知城は、掛川5万8千石から土佐20万石へと大出世をした、山内一豊が建てた城である。

 一豊が土佐へ入国したのは慶長六(1601)年のことである。その年の内に築城に着工し、完成したのは慶長八(1603)年のことだそうな。

 もともと川にはさまれたところの山に建てられたので、この山を「河中山」と名付けたが、その後しばしば河川の氾濫で被害を被ったために、「河の中(内)」を嫌って「河内」から「高智」へと名を改め、これが後にいまの「高知」になったのだという。

 お城は享保12(1729)年に大火にあって消失したがその後再建されたものである。

 昭和9年には国宝に指定されたのだが、昭和25年の文化財保護法によって重要文化財に格下げされたのはちょっと残念である。

 天守閣に回り縁と擬宝珠をつけた高欄が巡らされており、我が掛川城もこれを参考にした城づくりをしている。
 
 中にはこの地やお城にまつわる歴史を紹介するパネルが置かれていて、ちょっとして歴史資料館的にもなっている。なかなか良いサービスであります。

 なかなか風格のあるお城だし、国宝に復活して欲しいものである。 

【高知商店街の元気】
 その足で、日曜市を見学。これは毎日曜日に道路上で行われる出店の市だとか。

 中央分離帯のある道路の片側にびっしりテントが300メートルくらい連なって物販を行っている。

 道路を堂々と専用しているので、「いいのですか?」と訊いてみたが、「もう三百年も続いていますからねえ」とのこと。

 伝統は強い。

 途中に「ひろめ市場」というビルの中の居酒屋みたいな場所を見る。日曜日の十時だというのに、ビルの中の居酒屋で買った、おでんや酒の肴をテーブルに広げて一杯引っかけている人が大勢いる。
 
 さすがは高知だ、と感心する。

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 高知市には中心市街地に大きな商店街があるのだが、ある人の紹介で、「そこへ行くなら、T靴屋のHさんに会うと良いですよ」と教えられたので、お願いしてこのお店をお訪ねする。

 高知市にはイオンモールという超大型のショッピングセンターができたと聞いたので、その影響はどうかと思ったのだが、どうしてどうして、なかなか頑張っているではないか。

 高知市の中心市街地の条件もそれを支えているが、路面電車、お城、学校、県庁、市役所などが一体となって、まだまだ人通りの多い商店街モールとなっている。

 Hさんにいろいろとお尋ねをしたが、こちらは商店街に住んでいる人はもうそれほどは多くはなく、「住まいしている商店街の地域コミュニティをなんとかする」という発想はもうないらしい。

 しかしこの商店街の中心モールであれば、閉店してもすぐに次の店が名乗りを上げるような状態だという。

 元気のある街中がうらやましいね。いろいろと勉強になりました。 


【高知スローライフ〜パネルディスカッション】
 午後はいよいよ「スローライフ週間こうち」の講演会とパネルディスカッションである。

 開会式では一応私が来賓祝辞と言うことでお祝いを述べる。

    ※    ※    ※    ※

 開会式の後は講演会。まずは環境ジャーナリストの枝廣淳子さんから。この方は「午前二時に起きればなんでもできる」という本を書いて有名な方である。

 午前二時に起きる生活で、アメリカ留学や同時通訳、環境ジャーナリストとして様々に活躍されている方だが、プロフィールを見るとちゃんと東大卒と書いてある。下地がやっぱりすごいのだ。

 講演会もなかなか面白く、「21世紀になって、環境資源が有限であると言う認識が現実的なものになってきたのが、スローライフの流行に繋がっている」という視点を披露された。

 なかなか興味深いお話でした。

 
 次は多摩美術大学教授で日本画家の平松礼二さんで、こちらはアートの立場からスローライフのすすめを説いてくれました。

 これもなかなか。

    ※    ※    ※    ※

 いよいよパネルディスカッションだったが、四人のパネラーで二時間というのは結構大変。

 会場は120席くらいはあったが、半分くらいしか埋まっていずに、ちょっと残念。

 スローライフの切り口を縦横に話して、私としては結構面白かったんですがね。

 私のお隣には松尾高知市長さんがおられて、こうちでの考え方を説明して下さいました。市長さんの最後の公務となるそうです。

 しかしこの四人の中でスローライフについて一番考えて一番話をしているのは多分私だろうから、私の話が一番面白かったと思うよ(^ヘ^)v。うぬぼれか〜。

 帰りのエレベーターでも、聴衆だった奥様が「結構面白かったね」と言って下さいました。もう少し聴衆が多いと良かったのにね。 


 帰りは挨拶を終えてそそくさと空港へ。今日中に掛川まで帰らなくては。

 朝から具合が悪くて、飲み過ぎたかと思ったのだが、どうも風邪を引いたようだ。周期的に熱っぽさが襲ってくる。

 品川でバファリンを買い求めて、薬を飲んでだましだまし帰ってくる。こういうときは単身は辛いね。

 
 深夜にようやく掛川に到着。祭の法被を着た若い衆がタクシー乗り場でたむろしている。今日も少し雨が降ったようだ。

 今年のお祭りは雨にたたられるなあ…。 


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こままさ