| 2003年09月09日(火) |
重陽の誓い〜スローライフをやるでえ |
【子角山視察】 市内の子角(ねずみ)山を視察する。
ここは、今の掛川城からほど近い小山なのだが、かつての古城は実はこちらにあって、後に今のお城に移されたのだとも聞く。
宅地化した街中にあって、ぽっかりと緑の小山が残っているので、すぐ前にある小学校にとっては格好の裏山であり、子供達のミニ遠足や自然観察にもよく使われるらしい。また、かつての城跡を彷彿とさせる空堀の後もあって、遺構としても面白い。
またここには徳川三代家光を祀った霊廟もある。これは、日光の東照宮によく似た金ぴかで派手派手の霊廟なのだが、その当時の殿様に世継ぎがなくて、お家取りつぶしを恐れて幕府をヨイショするために作られたのだ、とも聞くが結局その殿様はお取りつぶし(か異封)になったのだそうである。 由緒正しい建築物なので、市としてはちょっとした観光の目玉としても期待のかかるものである。
さてここに、国交省の補助事業によって緑地整備をしようという計画が起こっている。わが市の独自施策である「緑の精神回廊事業」の一環としてであって、お城や川岸、お寺、公園などを園路で結んで、散策を楽しめる連続した空間を市内に整備しようと言うのである。
「緑の回廊」なら緑道や街路樹などで作るのはよくあるが、緑の【精神】回廊というように、精神と言う言葉が入るのは珍しい。
この子角山の霊廟や緑地空間も、この「緑の精神回廊」の重要要素と言うことで、ここに細々とある園路をもう少し立派に整備して、散策する人々を増やそうというのが、基本的な考え方である。
※ ※ ※ ※ ところが最初のアプローチがまずかった。それは初期のワークショップの結果として、バリアフリーの思想をここでも実現させ、かつまた空堀の遺構もより親しめるような見せ方をするのが良いのではないか、ということになったからである。
そのためになんと空堀に橋を架けたり、その結果園路で盛土をする計画になったり、駐車場を大きめに取ったり、るというプランができあがり、これを地域の住民の皆さんに提示したところ、自然破壊の度合いが大きすぎる、ということで納得が得られなかったのである。
そのため春先から担当の職員はなんどか地元との話し合いを続けてきたのだが、6月議会でも地元の市議さんから「地元の意向をくみ入れた公園計画は出来ないか」という質問を受けたりもしたのである。
終いには、「観光の目玉ルーツづくりのために、自分たちの山が無くなるのは駄目だ」というなにやら政治的反対運動にもなりかねない雰囲気であったので、気にしていたのである。
※ ※ ※ ※
担当の職員からそのあたりのことを聞くと、地元の意向をくみ入れて、橋は中止、対岸の園路盛土も中止、駐車場もこぶりにして、自然を出来るだけ残す一方、現状として相応しくない樹木は伐採し、また自然的樹種の植栽も行い、自然の方向をあるていどコントロールして行く案として提示しているとことで、絵を見てもかなり納得が得られそうなプランニングになっていた。
これ以上地元との関係がおかしくなったときは乗り出さないといけないかな、とも思っていたが、なんとかそこまでいかずに収まりそうである。
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一通り図面での説明を受けた後、現地を視察する。現地は背の高い雑草に覆われて、まさにヤブ蚊のたまり場。
「飛んで火にいる夏の虫」という言葉はあるが、「飛んで夏の虫に入る人間様」というところで、みるみるうちに肌を露出したところは蚊に食われる。
「全然こんなの目指すべき自然ではない」と思うのだが、そのあたりは地元の方もかなり理解はしているよう。
ただ地元というのがしばしば矛盾した意見を持っていたり、中で対立していたりすると、こちらとしては全く困ってしまう。
いずれにしても、少しずつ改善の方向に向かっているので、このまま上手に進めて欲しいものだ。
【4バイパス無料化推進磐田大会】 午後には、バイパスの無料化を推進する大会が磐田市で行われ、市の代表として参加する。
会議の後には、シンポジウムと総決起集会が開かれた。
シンポジウムには鈴木自動車会長の鈴木修さんの特別講演と、大学の先生、磐田市長、消費生活アドバイザー、トラック会社の社長などによるシンポジウムが開かれたが、トラック会社の社長が「国のために交通を支えるバイパスが有料で放っておかれて、それを不思議に思わないわが県民は、アホでバカで鈍感」と言いたい放題で会場の笑いを誘っていた。
今日のこの日の話題はもっぱら日曜日の新聞の一面を飾った、「国交省4バイパス無料化めざす」という趣旨の記事で、回りは「大幅な前進だ!」と怪気炎をあげていた。
いろいろと情報を探ると、まだまだ具体的なことは決まっていないようなのだが、こういうことは勢いのあるときに、思いこんで突っ込んでしまった方が受ける側も無視できなくなるということもあるので、あまり冷や水をかけずに「いよいよここまで来ました!もう少しだーっ」とやるのがよろしいだろう。 今は国の役人ではないのだから。 そんなわけで、多いに盛り上がった大会でした。やれやれー!
【スローライフの集い】 夜には、市内のIさん宅で、スローライフ会議。
要は昨年行ったスローライフ月間を今年もやるべきではないか、という志をもった皆さんの集まりなのだが、一方で組織をNPO化することを考えようと言う意識もあって、なにやら方向がバラバラ。
そこで、今日の集まりで改めて、まずは11月に市民有志でスローライフイベントをやろうということを決めた。
やり方は実行委員会形式で、多少は市からの補助金もあてにしようということになった。
あとは、実行委員会などを作る上での多少の形式的なことで、それは私が引き受けて昨年の資料を基にチャッチャッチャと作る約束をした。
今回は事業に対する補助金額などは全く期待できずに、自らがやりたいことをやり、それにスローライフの冠をかぶせて良い、という団体を探す方向になりそうである。
予算もせいぜい100万円で、市からの補助金もせいぜい30万円くらいである。
このくらいのこぢんまりしたのがわが市の身の丈かも知れないので、まずはこれで今年も継続という形だけを美しく作りたいものである。
だんだん会議の参加者も疲れてきて、最後は無駄話ばかりだったが、こういう無駄話は楽しいね。
いよいよ今年のスローライフ始動開始である。それにしても、せっぱ詰まらないと動かないものだねえ。
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会議が終わって外へ出たらもう夜の11時過ぎ。今日は月と火星がランデブーで、近い距離に見えました。
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