掛川奮闘記

2003年07月23日(水) 030723_森の道の駅にて〜プロジェクトマネジメント

【室蘭へ向かう】
 議会運営委員会の道内視察二日目は室蘭視察である。

 函館から室蘭までは約200キロくらい。途中で休憩をはさみながら目的地へと向かう。


【森の道の駅にて】
 最初の休憩地は森町の道の駅である。

 北海道の道の駅では、ゴールデンウィークから秋までの間に、道の駅によるスタンプラリーを実施していて、これが夏の行楽シーズンの北海道のレジャーの定番となりつつある。

 道の駅制度ができたときに、私は北海道でまさに道の駅事業の担当をしていた。最初は制度そのものが理解されていなくて、北海道での道の駅はわずか11カ所からスタートしたのであった。

 この道の駅が単体でサービスをするのではなく、ネットワークとして次の駅へ行きたくなるシステムはないかと思い、考えたのがスタンプラリーであった。

 最初のうちは懐疑的な自治体もあって、参加を渋るところもあったのだが、これを説得して予算を組んでもらい、実施したのがもう10年も前のことである。

 以来、年々参加者が増加して、それにつれて道の駅の登録も増加して、今では道内に75カ所の道の駅があるそうである。

 この森町の道の駅で、スタンプラリー帳を一冊もらって、中をぱらぱらとめくってみて、懐かしくなりましたよ。

 こういう形で世の中にプロジェクトを提案して、世の中を少しでも動かすのをプロジェクトマネジメントと言うのだそうである。

 今まであまり考えずにいたが、こうして自分自身の提案から賛同してくれる人を増やし、予算などをお金を集めて、事業を大きくして世の中に訴求して行く、というのは非常に楽しいものがある。

 昨年のスローライフなども、今考えるとその部類の一つであったのですな。こういう形でたくさんの人と思いを一つにして運動するというのは面白いものである。

 懐かしい道の駅で、昔の思い出に浸ってしまった瞬間であった。

【室蘭市視察】

 昼食を済ませてからは室蘭市の視察。室蘭は私の生まれ故郷なのだが、実際は本当に市立病院で生まれただけ、ということなのであまり故郷という思い入れは少ない。

 それでも「お生まれはどちらですか?」と問われれば、「北海道の室蘭市です」と答えることになるのだから、切っても切れない縁があるのである。

 こちらでは議会運営システムを視察するのと、最近テレビなどでも話題になった輪西地区の再開発事業を勉強する。

 室蘭市はかつては鉄鋼の町として栄え、往時は人口16万人まで数えたのだが、今では人口10万200人となってしまったのだそうで、「来年は10万人を割ると思われています」という悲しいことになっているのだそうである。

 それらも全て、新日鐵などの企業城下町として栄えたものの、企業自身が合理化を進めたことで従業員が激減し、合わせて関連の企業およびその家族が減ったことが要因である。

 特にこの輪西地区では、新日鐵の真ん前にあるということで栄えたところだったのだが、新日鐵の規模縮小と共に衰退していったという。

 そこで、最近再開発事業の中でももっとも制約の緩いと言われる有料建築物等整備事業に
よって、商業施設を建て、併せてここに市民会館を建ててまちづくりの中核としての役割を期待している。

 商業施設の空間デザインも、ちょっとレトロ調を取り入れて懐かしさの中に遊び心あふれる空間となっている。どこか横浜のラーメン博物館的な趣である。

 地区としては隣の市民会館の集客力と共に相乗効果を発揮して、おおむね計画通りの集客数を集めているという。

 市民会館の方は、その管理を市民会館管理運営委員会という民間団体に委託しており、その弾力的な運用で利用者にも好評であると同時に利用者数も増加しているという。

 かつては廃れかけた地区でもこうして人知を投入することで、いくらかでも復活の兆しが見えているのは勇気がわく。

 こういう知恵をわが市でも是非出したいものである。

【札幌泊】
 一向はこの日は札幌泊なのだが、私は失礼して自宅へ帰らせてもらう。家族と一緒の時間を過ごしてしまうとやはり里心がついてしまうのである。

 明日はホテルで待ち合わせて千歳市視察、そして掛川へと帰るのである。また北海道ともおさらばである。 


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こままさ