| 2003年06月30日(月) |
030630_六月議会最終日 |
【議会最終日】 六月定例議会の最終日である。決算特別委員会に付託した病院事業と水道事業の委員会報告や、各常任委員会に付託した補正予算や条例などの審議結果を委員長から報告を受けて、可否を問う。 前半は何事もなく、議事が進行して行く。
ところが、休憩をはさんだ後、議事の後半に及んだときにハプニングが起きた。
発端は、選挙管理委員会の交代の人選で、話し合いの結果総務委員長からの推薦を受けて、これを議決することとなっていたのだが、このときに、議員の一人から質問が飛び出した。
「一つは名前の漢字が正確なのかどうかを訊きたい。そしてもう一つは…」 もうひとつは…?
「もう一つは、この議会で今提案されて決するはずの人事が掲載された名簿が、今朝方議員の連絡箱に既に入っていたことです。この点をどう説明してくれるのか伺いたい!」
これには、当局側も唖然。一瞬言葉を失って、あたふたするばかり。前段の質問の趣旨は、「大場」さんという方の「場」の字が戸籍上は別な字になっているのではないか、という指摘であった。実は「大塲」が正しかったのだが、この点は後ほど、議長裁定で修正後の資料配付を行い、一応事なきを得ることができた。
問題は後段の質問である。確かに作業の準備上、ほぼ確実な人事を想定して名簿などの資料を作成することもあるだろうが、公開と言うことになると、あくまでも議決が必要な人事案件であれば、議会での議決を経てから公開されるべきものである。
準備までは良いが、議会の議決を受けない限りに置いて公開はすべきでないのは当然である。当局側ではこの事実関係を確認したり、対応をするのに手間取ったのだが、こういうときのポイントは、議長裁定で休憩を取って頂くことにつきる。
このときも議長から「当局の答弁準備に時間がかかりますので、暫時休憩といたします」という宣言がなされて、改めて議長、幹部、主立った皆さんが相談して「いずれにしても陳謝するしかない」ということで態度を決定。
再開後の冒頭で、総務部長より「当方の不手際により、不適切な配布となったことをお詫びします」という趣旨の陳謝を行った。これに対して質問された議員からは「総務委員長の見解を伺いたい」という意見が出され、改めて総務委員長より「このような対応は遺憾であり、今後このようなことがないように願いたい」という苦言が呈せられた。
いずれにしても、議会軽視と取られかねない事態であった。議会の最終の挨拶の中でh市長からも不手際をお詫びする発言があったが、私からも当局の一員としてお詫び申し上げます。
これからは、誰が悪かったということを特定して犯人捜しをすることよりも、今後とも職員一人一人が、一つ一つの資料や行動がどのような意味を持っているか、ということを深く自覚することがより建設的な姿勢と言えるだろう。
議会と当局の関係は、問題がなければ極めてスムースに展開するが、一度こじれると収拾して関係を再構築するのには、大変な労力や時間が必要になるものである。
職員であれば、肝に銘じて頂きたい。
【国土交通省打ち合わせ】 午後から国土交通省での打ち合わせに向かう。内容はPFIと呼ばれる、民間活力を使った道路整備手法の是非について、というものである。
先方は、調整官以下3人が聞いて下さり、ある程度の資料を用いて考え方のスキームの概略を説明する。先方はもう資料が完璧にできあがっていて、煮詰まった議論をするものと思っていたようで、資料内容の一言一句を捕まえて、「もう少し資料の精度を上げて、勉強してきて」と言われる始末であった。
しかし、今回の提案は今までにないようなスキームの提案であり、一つ一つの数字の根拠や資料の妥当性よりも、このような考え方の上に立って新制度ができるかどうかや、このような補助事業が可能かどうか、という点の方がポイントなので、重箱の隅をつつくような議論が目的ではないと考えているのである。
それに、コンサルタントに対して意見を聞く程度でまとめ上げた資料であり、本当にそのような議論をするのであれば、こちらとしてももっと予算や時間を掛けて資料精度をあげなくてはならないが、そこまでやるべき話かどうかも雲を掴むようなものなので相談に来ているのであって、こちらも軽々に予算を使って調査はできないのである。
それらの意見交換を踏まえて、厳しいご指摘も数々受けたが、「新しいありようなので、我々として良いか悪いかについてはちょっと考えてみるわ」と言って下さった。
ひー、もっとコタコタに怒られそうな予感がしていたのでなんとかこれで済んでほっとした。
しかし、真にこのような手法によって道路整備が行えるかどうかはまだ極めて不透明で、多くのハードルがあるに違いなく、それらをどこまで超えられるかは未知数である。
まあ最初のドアをノックした程度ですな。どうなることかは分からないけれど、行けるところまで行ってみるとしますか。
|