【因縁話】
　久しぶりの北海道の二日目。まずは実家で仏様におまいり。

　両親といろいろな話をしているうちに、依然私の書いた「そう言えば、あのころ買ったレコードはどこへいったんだろ…」という日記を母親が見て、「あんた、レコードはとってあるよ」ということになり、二階の納戸をごそごそ探すことに。

　レコードは確かにあって、ジョン・レノンのイマジンの４５回転シングルやミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」など、いまや値打ちもののレコードもありました。懐かしくて感激。

　「ところで、僕の高校時代に作った鉄仮面はここにはないかい？」と訊く。

　「鉄仮面」というのは、私が高校時代に所属した工芸同好会時代に作った銅版による照明作品で、当時の恩師からはかなり高い評価を得た作品なのである。

　それが引越しを重ねるうちに行方不明になり、私の引越し荷物で数年前に一度見つけた記憶を最後に見当たらなくなっているのである。

　「M（妹）の納戸には入ってない？」
　「ないよー。何回も見たけど」
　「まあ、なんか良いものはないかな…」と納戸を見ると、ノートパソコンの箱があったので、懐かしくて手にとって見た。すると箱の横に「鉄仮面」と書かれているではないか。

　「あ？あ？これだーっ！！！あったー！！」

　ついに見つけた鉄仮面。やはり実家にあったのである。どんな箱に入れて保存したかをだれも覚えていなかったので、忘れられていたのだが、ちゃあんとノートパソコンの箱に包まれてありました。

　考えてみれば、なかなか不思議な話で、わずか何日かしかいない札幌で、それも久しぶりに訪ねた実家で、何年も探した鉄仮面が突然見つかるとは…。

　それも日記にレコードの話を書いた、ということからの流れ。これも仏様の導きかねえ、という話になっている。やはりご先祖は大事にしたほうが良い。

　そんな因縁話であった。
　
【妻の実家と宴会】
　夜は妻の実家の親戚一同と宴会。久しぶりだが、皆さん元気そうで変わっていませんでした。

　それが何よりです。