掛川奮闘記

2003年04月18日(金) 030418_日坂宿に茶室完成!

【茶研修所の見学】
 先日完成した、農協の茶研修所を見学する。ここは、農協組合員が、お茶をより効率的に生産するとともに、新たなお茶のニーズを研究するためのお茶の生産ラインが備えてあるのである。

 まず、効率的な生産という観点では、市内の6カ所の茶畑にセンサーを埋め込んで、土壌水分量、肥料濃度、雨量、温度、害虫の発生数などの瞬時にデータとして取り入れることができるシステムを取り入れて、自分の近くの茶畑のデータから、今しなければならない管理を判断する材料を提供しているのである。

 農業も今日ITを知らなければ、できないのである。

 もう一つの新たなお茶のニーズでは、茶畑から取った生茶を100キロという、一般のお茶の生産工場から見ると桁違いに少ない量で製品にまで仕上げる工程ラインを設置してあるのだ。

 そもそもお茶は、採った葉っぱを「生茶」と呼び、これをまず蒸すのである。このときに60秒より長く蒸せば「深蒸し」と言い、それより短い蒸しのものを「普通蒸し」「浅蒸し」と呼ぶのである。

 そして蒸された葉を今度は手揉みを機械に変えた精揉機という機械に何段階かに分けてかかける。そして次第に水分を飛ばしてゆくのである。

 そうして水分含有量を4%くらいまでに落としてかなり乾燥したものを「荒茶」と呼ぶのである。

 ここまでは地区の製茶工場が行う作業で、こうしてできた荒茶をお茶商さんに売り込むのであるし、ここで荒茶の品評会なども行われるのである。

 お茶商さんはこうして購入したあら茶を今度は篩にかけて選別し、ちょっと火にかけて香りを出したところでパックして製品化する、とこういうわけである。

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 ところがお茶もとにかく安く、大量に作らないと儲からないので、茶工場の生産ラインはどんどん大型化して行き、単純な種類のお茶が大量にできてゆくのである。

 これだと、安くはなるが、一方で消費者の微妙なニーズを少量多品種という形でくみ取ることができず、新たな茶へのニーズを発見すると言うことも難しい。

 そこで、少量の生産ラインを作って、お茶農家がある程度いろいろな自主的な取り組みをしてもらおうというのが、この施設なのである。

 これだと、やぶきた以外の品種のお茶でも作ってみることができるし、お客さんが特に農家に直に頼んで作ってもらうスペシャルのお茶も可能なのである。

 紅茶やコーヒーであれば種類を選ぶのも一つの趣味になるが、煎茶ではまず種類を選ぶと言うことがマーケットではできないのが現状である。

 こういう煎茶文化をもう少し大胆に変えてみる試みも面白いと思うのだが、茶農家さんのいっそうのがんばりと、消費者のお茶に対するもっと深い理解が欲しいと思うのである。


【川坂屋さん茶室完成】
 市の東側にある宿場町で復元された江戸時代の旅籠が川坂屋である。今日はこれに加えて、この建物の裏にやはり復元工事が行われていたお茶室が完成して、そのお披露目式が行われた。

 この茶室はもともとこの旅籠の奥にあったものを過去五回にわたって、様々な理由で移築が繰り返され最後には道路建設によって解体されていたものである。

 しかし地元の有志がこの部材を大事に保存していて、さらに分解するときには詳細な写真まで撮っていたこともあって、比較的楽に復元ができたのである。

 この茶室の特徴は二つあって、一つは独壺と呼ばれる水を入れておく壺が茶室の中に併設されていることで、これは日本でも数例しかない面白い例だという。

 普通は水屋を別のところにつくるのだが、こういう形で水をそのまま茶室に併設するというのは、一つには武士のもてなしとして目の前で毒を盛らないということを証明しながら茶を点てることが重要視されたのではないか、ということらしくて、武士の茶室と言われる所以である。

 もう一つはわが市のお殿様であった太田公と水戸の水戸斉昭公と二人で分け合ったというツツジの古木が床柱に使われていることである。

 これは、幕末のある時期太田公と水戸斉昭公がともに幕府の老中として働いていた時期があって、当時の大老井伊直弼と対立して二人とも失脚したということがあり、そのときに島津斉彬公から送られたというツツジの古木を二つに切って、ともに郷里に持ち帰ったといわれているものである。

 水戸の分はその後偕楽園の好文亭の茶室に用いられたが先の戦争で空襲にあった際に消失してしまい、こちらだけが今に残っているという曰く付きのツツジの古木である。

 このようななかなか素晴らしい茶室が今回完成した。先日妻が当地に来た際に完成間近の状態で見させて頂いたが、これが完成したというわけ。

 この地区の見物、話題がまた増えましたね。地域作りに上手に利活用して下さい。


【市退職年金者連盟総会】
 市役所OBの皆さんのうち、年金を受給している人による会の総会が行われた。総会では市長が挨拶したが、続いて開かれた懇親会では市長は用事があって欠席だったので、酒を飲む話は私の役回りである。

 挨拶の後丸テーブルで食事をしたが、私の知らない先輩達がわらわらと寄ってきては酒をついで下さるので参った(^-^;)。

 それでも多くの人の名前を覚えるチャンスだと思って、一生懸命話を聞きました。皆さん私の知らないことをたくさん教えてもらいましたし、いろんな昔の市役所の思い出話を聞きました。

 昔の市役所のエピソードの方が、今より面白いかもね。


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こままさ