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十二単という名の花   小川洋子さんの短篇集から「老婆 J」
2007年04月12日(木)




きれいな紫の花。

地下茎でどんどん自分の陣地を広げていく。
この季節にすっと背筋を伸ばして咲いている。

思い切り接写にしてみた。全体像はかなりイメージが違う。
アップにしてみると茎にある小さなひげ根まで精一杯に息をしているのが見られる。



小川洋子さんの短篇集から「老婆 J」


取り出して読み直してみる。
やっぱり怖いなあ。

段ボール箱を抱えて走り降りる老婆の姿は昔話を連想してしまうし、
手の形をした人参がはじめは3本だったのに男性のマッサージをして、エネルギーをうばった?その後は沢山収穫される。

その人参たちは真っ赤な血が滴るような手の形をしている。

老婆はそれらの人参をアパート中の住人に配って回る。
そして、その敷地の中庭から発見されたのは両手のない老婆の夫の白骨死体。

弔いのひとつの方法。

こわいなあ。  真っ赤な変形した人参を見るとポテトサラダには入れれそうにない。



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