いつも言ってるのだけど私は歯医者さんが嫌いだ。 といっても、行きつけの先生は丁寧にやさしくはっきりと説明をしてくれるし、 担当の助手さんもとっても優しい人なのに。 どういうのか、大きく口を開けるという作業が苦手なのだ。 大きくなくて、小さくなら良いのかというと、それもだめ。 つまり、口をあけて、鼻で息をするというのが出来ない。 実際はやってるのだけど、息をしてない気がするのだ。 ”もうだめ、死んでしまう”って、思ってしまう。 誓って言うが、治療が怖いのではない。音も怖くない。 窒息しそうで怖いのだ。最強に怖いのが歯形を取るためのあのゴムを口に入れておく時間。 あの時間て果たして何分くらいなのか。 昔は、かなり長かったのが、今では相当短くなっていると思うのだけど、もうだめ。 入れたとたんから、目が白黒になってしまう。 最近、ますます酷くなってしまってるようだ。 先生は、そばについて背中をとんとんしながら”もう少しね”って、終わるまでいてくださる。 もともと、歯を磨くのに奥歯に歯ブラシを当てるだけで、”ゲッ”となる。 食事のとき、最初の一口がのどを通り過ぎることが出来なくて結局は、戻すこともある。 夫は、そんな私をじろっと白い目で見て、シンジラレナイという。 夫は歯医者さんでは、ちゃんと目を開けて治療の様子を見届けるというのだ。 ずっとそんな人(私みたいな人)はめったに居ないだろうと思って一人、落ち込んでいた。 それが居たんだ(嬉) 日経新聞のプロムナードの欄に三浦しをんさんが書いていた。 一度は、歯形を取ってる最中に耐え切れなくなって自分でゴムを剥ぎ取って涙目でいすにへたり込んだそうだ。 良かったあ(変かなあ) 私だけじゃなかった 同じ人はほかにもいるんだ ほっとした。 彼女は言う。 「自分にとっての異物・異世界を拒絶せんとする頑なさから来ているのではないか。 もっとおおらかな気持ちで体の力を抜き、胃カメラ、歯型、海中散歩と何でも受け入れ、 楽しむべきではないか。そう反省するのだが、しかし逆になんでもえずかず飲み込めるのというのも 恐怖に対して鈍感すぎる精神のなせるわざではないかと思えたりする」 う〜ん、私もそう思う・・・ けど、それも彼女と同じ 「無論、えずかないひとへのやっかみだ」
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