結婚と不倫と離婚の間
蒲公英



 子供の気持ち 〜私の場合〜

私の父は若い頃よく母に暴力を振るっていた。
その度に母は家の外に裸足で飛び出し、そのまま父に締め出されて物置にいつも隠し置いている靴と鞄を持って叔父(母の弟)の家に家出をしていた。私は母にくっ付いて、今度こそは転校かな?と思っていた。でも結局が2,3日後には父が連れ戻しに来て家に戻る。それから数日は小学校にいる間に母だけでどこかに行ってしまうのではないかときがきでなかった。口にはしなかったが私は「お母さん、離婚しちぇば良いのに」と思っていた。そして、もしお母さんが再婚したら新しいお父さんの事ちゃんとお父さんと呼ぼう、とか思っていた。

5つ年下の妹が小学生に上がった頃は父も40歳を越えていたせいか、母に直接暴力を振るうことは少なくなったが、代わりに物に当たるようになっていたが、その跳ねっ帰りやら破片やらが母や子供に降りかかって軽い怪我をすることはあった。
母がいよいよと離婚を決意したが、妹が猛反対をした。「お父さんとお母さんが離婚するなら、お母さんを殺して私も死ぬ!」と言ったらしい。何故そんな事を言ったのか、今度聞いてみようと思う。
妹は、動けなくなるまで父に殴られた母の姿は知らない。
私はあの日の母の痛ましい姿を思い出すと、今でも父に対する怒りがこみ上げ、父を許せないと思う。

しかし、母は今父と二人暮している。そして、私に離婚を思いとどまるようにと説き伏せる。母は父を許せているのだろうか?

2002年03月11日(月)
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