□■ あたしのお教室 ■□
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2003年07月20日(日) 甘え下手なのさ。

はい、こんにちは。

小豆の種まきは今日の午前で終了。
局地的に大雨の予報がでていたので、かなり心配していた。
植えたばかりの種が流れていってしまうのではないかと。
しかし、夕立は来たものの、すぐ去って行った。
今はひぐらしが鳴いている。

里の近くの温泉に行きたいといっていた母だが、門司の実家に東京から義兄
(姉のだんな)が帰って来ていると電話があり、シャワーを浴びて、慌てて
帰り支度を始めた。

3月まで一緒に暮らしてくれていた義兄は、忙しくなかなか東京から帰って
くることが出来ないでいたんだが、久々に休みがとれたらしい。

「パパ(義兄)の顔が見たいわ。」といって、そそくさと荷物を纏める。

少しぐらいゆっくりしていけばいいのに、と思ったが、いったん決めたらさ
っさと行動に移す母の気性は知っているので、何も言わずに駅まで送っていった。

父がいなくなるまで一人で移動したことのない深窓の母(笑)だが、駅員さ
んに尋ねながらどうやら九州からここまで来られるようになった。
ただ、切符は自分で買おうとはしないのだ。
「はい」とお金をあたしに渡して当たり前のような顔をしているのが、やっ
ぱりお嬢さま育ちだわ(笑)

「あっ、電車が来た。あれにのるのよね?」と念をおす。

「そうよ、あれあれ。」

気が焦るのかそそくさと改札を通って、まっしぐらにホームを降りていこうとして、
あたしが見ていることに気づいた模様。
慌てて手を振っていた。
あたしも苦笑いしながら手を振り返した。

            ◆◆◆

「小春は小さい時から、甘えんかったね。」

「そだね。やっぱり、幼稚園の時にとーさんが劇症肝炎で突然入院したでし
ょ。死ぬかも知れんっていっとったよね。
あの時から甘えてはだめやと思ったんやろうね。
かーさん、夜になったら泣いとるし、あたし達3人のうち誰かををどっかに
里子にださなって、悩んどったし。。。
あたしは京(妹)はかーさんがおらんと一日も暮らせない子やし、おねーち
ゃんは跡取りやし、引き取られるとしたら、あたしやなぁ。って思っとった
よ。。。あの頃、一人で留守番するのがすごく怖かった。
暗くなったら、コタツにもぐりこんでじっとしとったもんね。
あの時のことを時々夢にみるよ。」

「ふーん、初めて聞く話やね。そんな日もあったかも知れんね。
 かーさん、あの時はあんた達3人と生きていくのが必死やったからね。。」

「うん、わかっとるよ。仕方なかったもんね。。」

           ◆◆◆

あたしはあの頃から甘えたり我が儘言ったりしたらいかんと思うようになっ
たんだろうな。

「もっと、ゆっくりしていってよ。
 温泉だって一緒に行きたいとおもっとったのに。
 義兄さんはむすこじゃないだろ。
 あたしは、かーさんの娘だよ。」

こういう風に言えたら、夕刻のひぐらしの声を寂しいと思わないで聴けたの
にね。

あんまりあっけなく帰ったから、今日は、久々に弟くんを桜子の散歩に誘った。

やつめのアホな話とか桜子のあどけない笑顔が、やや、救いだったな。

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