403 Forbidden

2003年12月23日(火) なりゆき

女友達となりゆきでキスをした。

嘘だ、なりゆきじゃない。半分は判っていたし、覚悟していた。

考え方も趣味も似たところがあって、
電話やメールで結構いろいろ話をする友人だったが、
訳あって積極的に会ったりはしない仲、という彼女。

昼頃駅に着いて、彼女にメールを入れると程なく彼女の姿が見えた。
僕は腰のあたりで小さく手を振った。

僕の知らない彼女の生活圏を巡る。
年末押し迫る平日の、太陽が高い時間には人気も少ない。
僕らは手を繋いで歩いた。
彼女の手は冷たかったが、僕の手は暖かかった。

美術館の裏で、老夫婦がこちらを見ていた。
僕のトリガーが引かれたのだと思う。
ガラス張りに吸い込まれるように建物の影に近づくと、
やや強引に繋いだ手を引っ張り、一息置いてキスをした。

二回目のキスで受け入れられて、それから手続きは不要だった。

長い一瞬の煌きが今日なのならば、これから暫くはその残像を見るのだろう。
そんなことを考えながら帰りの列車の扉の向こう側を見ていた。
この日提出した答えは、果たして正解だったのだろうか?


最後には、彼女の手は冷たく、僕の手も冷たくなった。


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