2002年11月13日(水) |
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『 前略 あれからかなり時間が過ぎて私の考えもそろそろ変わった頃だと思い、返事を書いています。 ...同じような文句ではじまったあなたの手紙を当時は苦笑して眺めました(笑)。「申し訳ないが出口が見当たらん」って感じで。
とてもまっすぐで優しい言葉で最後まで接してくれたあなたに対して、私も後悔しないように言い訳でも書いて(笑)あなたの記憶をその扉の向こうへしまおうかと思います。
あなたがくれた最後の手紙はお互いにとってとてもタイミングの悪い時期に重なってしまったように思います。それは全て私が自分自身を信じられなかったことが原因で、そんな自分をあなたにさらす未来が怖かったのかもしれません。 まあそんなお決まりの言い訳はどうでもいいとして、私が心配だったのは、その後のあなたの恋愛です。これ以上ない形で私はあなたに人間不信の姿をさらしてから去りました。それがあなたの優しい心根にどう響いたのかとても心配でした。強がりなあなたは私のように恋愛に頑なになってしまわないかと心配でした。
残念ですが、当時の私はあなたが思ってくれているほどあなたに何でも話せるような存在ではなかったように思います。私の最も大きな危惧はこの点をあなたに知られることだったように思う。あなたに対して素直になれない自分がとても恨めしかった。私に欠けていたのは私やあなたという「個」を見つめるという気持ちでした。結局は全てを大局に埋没させてしか考えられなかった私自身の過失です。当時の自分は変に強がってそういった自分の足元を見ることの出来ない人間だったように思う。そしてそれを自覚した上で、そういった自分の弱みをそのままあなたに伝える勇気を持たなかった。
ただあなたは、たとえそれが悲観的だったとはいえ、私に能動的なアクションを起こさせる気になる人でした。それが当時の私の中で「あなたが大切な存在だった」という証です。結局のところ私はあなたに感じたような新鮮で甘酸っぱい感覚をその後ほかの女性に感じぬまま年を重ねてしまいました。自身の望む恋愛とはかけ離れた女性ばかり好きになっていきましたね(笑)。
あなたのことを思い出すきっかけをくれた私の彼女さんにとても感謝しています。嶋さんとの出会いがなければ、きっと私は今あるこの素敵な恋愛を陳腐にしてしまっていたかもしれない。嶋さんと手紙を交わした何年かの年月が今でも私の中で大切であることと同じように、私は今ある彼女さんとの時間を大切にしていきたい。きっと嶋さんはこんな風に思えるようになった私を喜んでくれるだろう。
どのような結末を招こうと関係なく、あなたに伝えたかった言葉は
「あなたがとても好きでした」
ということを記憶の彼方から引っ張り出してここに書き記します。
草々 』
嶋さんの記憶をとても素敵なものにしてくれた私の彼女さん、ありがとう。
(最後は結局彼女自慢かい/笑)
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